ハンドルを回し独特の音とともに出てくる「カプセルトイ」。

何が出てくるかわからないドキドキ感、たまらないのでは。

このカプセルトイが空前のブームとなっている。

巨大専門店オープン 1か月に5万人来店

札幌市北区の大型複合店「コーチャンフォー新川通り店」。

CDやDVDなどのミュージックコーナーの一角に10月、カプセルトイの巨大専門店が誕生した。

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ずらりと並べられたマシンの数は、北海道最大級の約1300台。

中には子どもが大好きなキャラクターから、昔懐かしいアイテムまで、幅広い年代に向けたおもちゃが詰まっている。

オープンから1か月で5万人以上が押し寄せ、早速話題に。

子どもから大人までカプセルトイに夢中

「ランドセルや、リュックにつけたい」(幼稚園児)

「東京の駅で歩いた風景を一気に思い出した。懐かしい」(会社員)

「予想以上の反響があって、客層は小さいお子さんからおじいちゃん、おばあちゃんまで、ブームってすごいと実感した」(コーチャンフォー新川通り店 武田康秀さん)

本や文房具と並び、幅広い客層を取り込めるアイテムを探す中でたどり着いたのがカプセルトイ。

札幌市内3店舗すべてで展開することになった。

本を扱う店ならではのラインアップも。

「やったー!出た!当たったうれしい」

女性が大喜びする理由を聞いた。

「私は保育士で、幼稚園で子どもたちに読み聞かせをするんですが、パンどろぼう大人気で私も大好きで」(購入した女性)

いま子どもたちに大人気の絵本、「パンどろぼう」のキャラクターのおもちゃが詰まったカプセルトイも話題となっている。

専門店が続々と登場

異業種とカプセルトイのコラボレーションは、ここだけではない。

こちらは札幌市中央区の大型商業施設に入る未来屋書店。

2023年9月、店の一角にカプセルトイコーナーができた。300台のマシンが並ぶ。

なぜ次々と専門店が誕生しているのだろうか。

日本ガチャガチャ協会 小野尾勝彦 代表理事によると「大人の女性が、ガチャガチャを結構購入するようになって、空いたスペースにマシン自体が置かれる環境が増えてきた」という。

かつてスーパーの廊下に置かれることが多かったカプセルトイ。

コロナ禍をきっかけにテナントのスペースを活用できるようになり、大人の女性客が増えたことに加え、人件費も電気代もかからず、運営側にとって効率がいいことも大きいと言える。

「300円出すと、すっと笑える楽しい商品が出てくるのがカギ」(小野尾さん)

「第4次ブーム」到来か 外国人の姿も

日本ガチャガチャ協会によると、カプセルトイ市場の売り上げは、2022年に610億円に達し、この20年で3倍になった。

約40社が毎月400種類前後の新商品を出すほどの過熱ぶりで、1965年の上陸以来「第4次ブーム」が来ているという。

札幌市中央区の狸小路商店街に3店舗を展開する「シープラ」。

狸小路2丁目に、9月にオープンした専門店は約1200台が並ぶ大型店だ。

「(狸小路は)長い商店街なので、(3店舗で)幅広いお客さんに利用してもらえるよう展開している。女性がかなり多い印象」(#C-pla+ 狸小路2丁目店 佐々木繁店長)

この店ではどんな人が楽しんでいるのか。

取材したのは火曜日の午後6時すぎ。最初に目撃したのは外国人だった。

「とてもかわいらしい!私は黄色が大好き」(タイからの観光客)

タイや台湾からの観光客にも、日本のカプセルトイは話題だった。

「サブカルチャーとしてガチャガチャっていうもの自体が認知されていて、お土産としても小さくてかさばらなくて金額的にも低単価ということで、今後どんどん増えていくと思う」(日本カプセルトイ協会 都築祐介 代表理事)

旅の思い出やお土産にも

一方、札幌の会社員の20代の女性は、マシンから出てきたおもちゃを組み立てて、台の上に置き撮影していた。

「かわいいと思います」(会社員)

この店ではディスプレー台が用意されていて、購入したアイテムを並べ、キャラクターの世界観で撮影することができる。

「空き地」や「教室」など8種類用意されている。

この女性、この後大きな勝負に出ていた。気が付くと、次が5回目の挑戦に。

「出ろ!」(会社員)

「(Q:何が出ました?)こいつが出ました」(会社員)

出てくるのはお目当ての白いカプセルとは違うものばかり。

さすがに諦めかけたその時、取材班が声をかけた。

「次白色じゃない?」(取材班)

「うそ、待って!あと2回やれば出る?」(会社員)

千載一遇のチャンスをモノにしようと、再度挑戦することに。

「よし、今度こそ」(会社員)

はたして結果は。

「出た、やった!これは紛れもなくシナモロール。うれしい」(会社員)

「おみくじ文化っていうのがあるかもしれない。何が出てくるかわからない。大吉とか中吉とか、日本人の中に面白がる(気持ち)があるかもしれない」(小野尾さん)

さらに、東京からきた会社員の男女は、北海道限定グッズに興味津々。「札幌時計台のシール」を狙って、ハンドルを回す。

「おー、羊蹄山!目当てではなかったですがうれしい」(東京から来た会社員)

観光客にとってご当地のカプセルトイは、旅の思い出にも、お土産にも重宝するようだ。

「より一層海外のお客さんの集客が増えると思うので、独自商品でより一層差別化を図って、売り上げを上げていければと思う」(佐々木店長)

国籍・年代を問わず、とどまることを知らないカプセルトイの人気。今後もますます広がりを見せそうだ。

北海道文化放送
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