宝塚歌劇団の劇団員が急死した問題で、遺族側が7日午後4時ごろから会見を開き、パワハラがあった証拠として新たな写真などを公開。「今でも娘からのLINEを、電話を、そして帰ってくる足音を待ち続けています」という遺族のコメントも読み上げられた。

ヘアアイロンでやけど…「わざとな気がする」

遺族代理人・川人博弁護士:
上級生Aが被災者は断ったにもかかわらず、ヘアアイロンで被災者の髪を巻き、やけどを負わせたという事実であります。下級生が自分でやると言っているのに、上級生が私がやってあげると言って、その結果、上級生の過失でケガをさせて、それ自体パワハラですよ。

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これは死亡した劇団員が上級生にヘアアイロンを押しつけられて、やけどをした際の写真。赤で囲まれた部分に痕が残っているのがわかる。

そして、こちらは当時、劇団員が母親と交わしたLINEの画面。

「やけどさされた」「ちゃいろになってる」「わたし」「でこ」「さいあく」「わざとな気がする」「あとならんかな」

故意に当てられた可能性を示唆するメッセージ。

11月の会見で劇団側は、「いじめやパワハラの事実は確認できなかった」とする調査結果を発表。その上で、ヘアアイロンでやけどした問題については、このように述べていた。

宝塚歌劇団 理事・制作部長 井場睦之氏:(宝塚歌劇団の会見・11月14日)
看護師によると当時故人を診たが痕には残らないやけどと思われ、ヘアアイロンでやけどすることは劇団内では日常的にあることであり、ヒアリングにおいて故人がA(上級生)からいじめられていたとする供述はなかった。

これに対し、遺族側は7日の会見でこう反論した。

遺族代理人・川人博弁護士:
大したやけどじゃなかった、痕も残らないというふうの趣旨の看護師の証言は、全く信用性がない。そもそも看護師にやけどの程度を判断する能力はないということ。

さらに、劇団内での診療内容を記録したものの中には、このような内容が記載されていた。

診療の記録内容:
プロデューサーからは新人公演のダメ出しで、上級生に老けてみえるとか人格否定のような言葉を浴びせられていたようだとのこと。

深夜まで叱責…23時51分に「かえれん」

さらにこちらが2023年9月、母親に宛てたラインのメッセージ。

「怒られてた」「まだかえれんわ」「上のひとおるから」「かえれん」

送信時刻は午後11時半すぎ。女性は深夜まで上級生に叱責されていたという。

遺族代理人・川人博弁護士:
なぜできないんだということで叱責を繰り返されるということが、続いたということですね。達成が著しく困難なことを強要するということ自体がパワハラであると。

9月3日、母親にこのようなLINEを送っている。

「今まで支えてくれてありがとう」

女性が死亡したのは、それから約4週間後のことだった。自殺とみられている。

7日の会見では、遺族のコメントも読み上げられた。

「娘と会えなくなってから2カ月がたちました。今でも娘からのLINEを、電話を、そして帰ってくる足音を待ち続けています。劇団がパワハラを一向に認めない姿勢に憤りを感じています」

一方、劇団は12月1日から、本拠地の宝塚大劇場で雪国の公演を再開している。
(「イット!」12月7日放送)