日本三大奇祭の1つが、1000年以上の歴史に幕を下ろすことになった。
いったい何があったのか。
「さみしい」進む祭り関係者の高齢化
五穀豊穣(ほうじょう)などを願い、旧正月の日に岩手・奥州市の黒石寺で行われる「蘇民祭(そみんさい)」。
![五穀豊穣などを願い、男たちが荒行を繰り広げる日本三大祭の1つ(岩手・奥州市)](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/5/2/700mw/img_52445bf56efcade957a69e034f7d5a79186033.jpg)
凍える寒さの中、下帯姿の男たちが荒行を繰り広げる日本三大祭の1つだ。
この、みちのくの奇祭の名が一躍全国に知れ渡ったきっかけは、15年前に起きた騒動だった。
![15年前、JRが祭りのポスターの駅への掲示を断ったことで注目を集めた](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/7/b/700mw/img_7bfbb1149bc0724606722c2bc3515268208013.jpg)
2008年の蘇民祭のポスター。濃い胸毛を蓄えたひげ面の男性が気勢を上げ、後ろではふんどし姿の男たちが密着している。このポスターが不快感を与えかねないとして、JRが駅への掲示を断ったことで注目を集めた。
![新型コロナの逆境にも負けず…](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/4/8/700mw/img_487d330eb1bbb72a5eb96bafe8098d00256789.jpg)
1000年以上続いてきたとされる祭は、新型コロナの逆境にも負けず、2023年に3年ぶりに開催された。そんな復活したばかりの蘇民祭をめぐって12月5日、住職が驚きの発表をした。
妙見山黒石寺 藤波大吾住職:
祭りの中心を担っている関係者の高齢化、将来的な担い手不足によりまして、お祭りの執行自体をやめるという決断に至りました。
![高齢化と祭りの担い手不足が理由だと説明](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/0/7/700mw/img_07d9610c9792a63180ee1ba2a2365d6f228215.jpg)
高齢化と祭りの担い手不足を理由に、2024年2月を最後に幕を閉じることになったのだ。
15年前、フジテレビが取材した際も、祭りの高齢化を目の当たりにする場面があった。
![15年前の祭りの様子。火がついた木のやぐらに登っていたのは当時73歳の高齢男性](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/a/7/700mw/img_a7ab48e22a6bb925590cf8a3e42def02148892.jpg)
火がついた木のやぐらに登り、舞い上がる火の粉をものともせず気勢を上げていたのは、当時73歳の高齢男性だった。男性は「気分がいいですよ」と話していた。
では、祭りの担い手はどれくらい減っているのか。
![](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/6/e/700mw/img_6effc3ba717b1bbaaf8d7cb9e40de1b0243197.jpg)
2012年の蘇民祭の映像では、すし詰め状態で厄よけのお守りが入った「蘇民袋」を奪い合う男たちの姿があった。この時、約3000人の参加者が集まっていたという。
![新型コロナの影響で蘇民袋の奪い合いは中止に](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/4/4/700mw/img_4410d3f8593e9ddfa234b7df7d5f682f268880.jpg)
一方、2023年に行われた祭りの映像を見てみると、新型コロナの影響で、祭りのクライマックスである蘇民袋の奪い合いの中止もあり、参加者は100人ほどとなった。
祭りの関係者:
高齢化していますので、なかなか厳しい。やっぱり寂しいのは寂しいですよ。
最後の蘇民祭は、2024年2月17日に行われる。
(「イット!」12月6日放送)