熊本の人吉球磨地域が作品のモデル地となっているアニメ「夏目友人帳」。アニメ化15周年を記念して、球磨郡湯前町で声優トークショーが開かれ、全国から多くのファンが集まった。
夏目友人帳のモデル地・人吉球磨地域
熊本県出身の漫画家・緑川ゆきさん原作のテレビアニメ「夏目友人帳」。幼いころから妖怪が見える主人公・夏目貴志が、自称・用心棒のニャンコ先生や友人らに助けられながらも、大切な日々を守るすべを見つけていく、人と妖（あやかし）の物語だ。
人吉球磨地域が作品のモデル地となっていて、熊本県は3年前の豪雨災害からの復興支援の一環として、アニメとコラボしたさまざまな企画を実施し、被災地のにぎわい創出に取り組んでいる。
ーー夏目友人帳の魅力は？
熊本市から参加：
心が癒やされるのが好き。熊本のことがもっと好きになったし、親近感がある
佐賀から参加：
聖地を巡れる。それが（被災地の）復興につながっていく、応援になるかなと思って（参加した）
井上和彦さんと堀江一眞さんが登壇
2023年7月にアニメ化15周年を迎える「夏目友人帳」は、11月12日に湯前町でアニメに出演する声優のトークショーが開かれた。約700人の応募の中から選ばれた200人のファンが全国から駆けつけた。
トークショーを行ったのは井上和彦さんと堀江一眞さんの2人。
2024年に活動50年を迎えるベテラン声優の井上さんは、主人公夏目の用心棒をしながら飼い猫として一緒に暮らす妖怪「ニャンコ先生」と「斑（まだら）」を担当。一方、堀江さんは、妖怪が見えるという夏目の秘密を知っている大切な友人、田沼要役を演じている。
声優・井上和彦さん：
12年前に（人吉球磨に）来た時は町は“ニャンコ先生”がいなくて、今回はあちこちにいましたよ。すごく増えている“ニャンコ先生”が
声優・堀江一眞さん：
12年前は明らかに“くまモン”の方が多かった
声優・井上和彦さん：
今回は“ニャンコ先生”の方が勝っていた
声優・堀江一眞さん：
どこ行っても“ニャンコ先生”がいた
人吉球磨地域では現在、アニメのモデル地をめぐるガイド付きのタクシープランが運行されている。トークショーの前日には、タクシープランのPR動画の撮影を行ったという2人。
アニメ第2期のオープニングに登場するワンシーンのモデル地、人吉市の田町菅原天満宮では、サインやメッセージを書いた絵馬を奉納したことを報告した。
井上和彦さん：
夜は影絵を探して歩き回りました
堀江一眞さん：
夜も楽しめますね
にぎわい創出の一環として人吉市中心部では日没後「夏目友人帳」のキャラクターの影絵が駅舎の壁など9カ所に映し出されている。2人は、「昼間だけでなく夜もアニメの世界観を味わえる」と太鼓判を押した。
夏目友人帳の「印象的なセリフは？」
ーー役を演じるうえで気を付けていることは？
井上和彦さん：
“ニャンコ先生”に関しては“わがままで自由なおじさん”という感じで振る舞っている
堀江一眞さん：
“夏目の良き友人でありたい”ということを心に秘めて演じると、僕の中では“田沼くん”に近づいていくというか、僕らしい“田沼くん”になると思って演じている
ーー印象的なセリフは？
堀江一眞さん：
夏目に対して“つかなくていい嘘はつくな”というセリフがあって、深いなと思う
井上和彦さん：
“全くお前というやつは”と言って“だから関わるなと言ったろうが”と言うけど、実は夏目を認めている。逆の意味で言っていて、問題が起こったときは“いつでも俺が手を差し伸べるぞ”という思いが伝わってくるセリフで、好きだ
会場ではアニメ化15周年を記念して制作された特別映像も流されたほか、2人のサイン色紙が当たる抽選会も行われた。
氷川町から参加：
生のお二人の声を聞くことができて、すごく良かった
熊本市から参加：
人吉を巡らせてもらって、豪雨の爪痕が残っている所もたくさんあるけど、だんだん復興していっているのを間近で見られるので、みなさんもぜひ人吉球磨に来てほしい
人吉球磨地域でスタンプラリーも開催
人吉球磨地域では11月3日から12月12日まで、新たにグルメスタンプラリーを実施。人吉市や湯前町など5つの市町村にある25の飲食店のうち、3つの店で食事や買い物をすると、オリジナルのトートバッグがもらえる（先着1,000人）。
一部の店舗では、「ニャンコ先生」の焼き印が押されたスイーツも提供。
湯前町の菓子店ではウインクした「ニャンコ先生」の栗入りどら焼きを販売している。
庄籠製菓舗・庄籠美乃さん：
みなさん、楽しみに来られるので、やって良かった
湯前町の住民：
全国から来ていただいて、町の魅力も一緒に楽しんでもらえるのが、一番うれしい
アニメ第7期の制作も決定している「夏目友人帳」。人吉球磨地域の復興にとって欠かせないコンテンツとなっている。
（テレビ熊本）
