アナログ・レコードを手に、むかし懐かしい“あの日々”を思い出す―。4月29日、昭和を感じられる場所を取材した。

作品として主張するレコードジャケット

開業1周年を迎えた福岡市・天神の『ワン・フクオカ・ビルディング』内にあるアナログレコード専門店『FACE Records ワンビル店』。中古レコード約1万2千点が数百円から販売されていて、訪れた人たちは真剣な眼差しでお気に入りの1枚を探していた。

アナログレコード専門店『FACE Records ワンビル店』(福岡市中央区)
アナログレコード専門店『FACE Records ワンビル店』(福岡市中央区)
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訪れた客に話を訊いた。「購入したのはキャロル・キング(1942~)。キャロル・キングがいた『シティ』というグループのレコードです」

「A面をひっくり返してB面を聴くっていう前提でつくられているレコードが多いので、そこが魅力ですね」と話すのは60代の男性。

また別の60代男性は「まずジャケットが作品として主張できるというか」とキャンバスのようなジャケットのデザインに注目する。

また10代の男性は「やっぱり飾るのもかわいいし、聴く分にも好きだから」と目と耳で楽しめると話す。

ジャケットが大きいLP(Long Play)レコードは、部屋のインテリアとして使うのも楽しみのひとつだという人も多い。

レコード鑑賞は贅沢な時間の使い方

店で販売しているのはレコードだけではない。「こちらが人気のプレーヤーになっています」と飯島英大店長が紹介してくれたのは、ひと月に20台以上売れているというプレーヤー。

「こちらが人気のプレーヤー」と飯島英大店長
「こちらが人気のプレーヤー」と飯島英大店長

若い世代が初めてのレコードプレーヤーとして買うだけでなく、改めてレコードを聴きたいという中高年にも人気だという。

飯島店長は「ご自宅でゆっくりお酒でも飲みながら音楽を聴こうかみたいなときにレコードを落として、針を載っけてっていうのは、時間の使い方として贅沢」と話す。

デジタル化が進む現代だからこそ、レコードならではの柔らかな音を好む人も増えてきているというのだ。

「福岡は、音楽がすごく盛んで、根付いている土地なので、昔から一定数、レコードの好きな層っていうのはいたと思うんですけど、若い子たちが更にアナログに目覚めてみたいなところもある」(『FACE Records ワンビル店』飯島英大店長)。

昭和を感じる店内にレコードがずらり

一方、昭和を感じる店内。そしてレコードがずらりと並んでいる。

なかには、歌手のサイン入りのレコードもある。ヒットソングを聴きながらお酒を楽しむことができる『歌謡曲BAR スポットライト天神』(福岡市中央区)だ。

サイン入りのレコードも
サイン入りのレコードも

店内には、約2千枚のレコードが置かれていて、客はジャケットを自由に手に取り、聴きたい曲をリクエストすることが可能だ。

50代の男性客は「南野陽子の歌をリクエストしました。小学校の頃に大好きでした」と懐かしむ。貴重な雑誌や小物なども並び、ノスタルジックな雰囲気が流れる空間だ。

また50代の女性客は「懐かしくて。こういう、レコードを聴きながらってお店が、あんまりないので、楽しいですね」とひと時の余韻に浸る。

母親と一緒に来店したという20代の女性客は「初めて、ちゃんと聴きます。楽しいかも。新鮮です」とときめきを感じていた。

店内は、夜が更けていくに連れ、更に盛り上がる。オーナーの安東暢昭さんは、家庭でも職場でもない“サードプレイス”として、同世代が交流する場をつくろうと2007年に店をオープンした。

「見ず知らずの人と一緒に肩組んで盛り上がったりとか、勝手に口ずさんだりとか勝手に踊ったりとか、そういうこともどんどんやって下さいっていう、もう自由空間です」(『歌謡曲BAR スポットライト天神』安東暢昭オーナー)。

“昭和の音色”は、これからも多くの人の心を繋いでいくようだ。

(テレビ西日本)

テレビ西日本
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