シニアカーとともに田んぼに転落していた79歳の男性を救助したとして、中学1年の男子生徒に警察から感謝状が贈られた。辺りが暗く、土砂降りの中での救出劇だった。
シニアカーごと田んぼに… 中学生が男性救助
新潟県の阿賀野警察署から感謝状が贈られたのは、阿賀野市の京ヶ瀬中学校1年・五十嵐泰智さん（13）だ。
五十嵐さんは9月14日午後7時前、阿賀野市内で田んぼの中にシニアカーとともに転落していた79歳の男性を救助した。
感謝状を手にした五十嵐さんは｢うれしい。周りは家とかそんなになかったので、ここで助けなかったらどうなるのかなと思って助けた｣と嬉しそうに話した。
男性がシニアカーとともに転落した現場は、道路と田んぼの間に50～60cmほどの高さがあった。さらに当時、辺りは真っ暗で、天気は土砂降りだったという。
雨の中、学校からの帰り道で男性を発見した五十嵐さん。
男性は足がシニアカーの下敷きになり、動けない状態で、｢大丈夫か｣と声をかけるも、男性は耳が遠く会話ができなかった。五十嵐さんは｢雨でぐちゃぐちゃで、脇の下を持ち上げて、引き上げた。足が下敷きなっていたので、足を自分でとって、シニアカーをどうにかしようとした｣と当時の状況について語る。
男性を助け出すことはできたものの、シニアカーが重く、動かせなかったことから五十嵐さんは自宅から父親を連れて再び現場へ。2人でシニアカーを道路上に引き上げたという。
父の亮太さんは｢自分の考えで動いたと思う。ここで声をかけられたのはすごい立派だと思う｣と息子を称える。
その後、近くを通りがかった人が警察に通報。警察によって男性は保護され、けがはなかった。
阿賀野警察署の横山晴章署長は｢真っ暗な状態。雨も降っている状態ですので、助けてもらえなければ、最悪の事態になっていたかもしれない。積極的に救助してもらって命が救えたと思っているので、本当に感謝している｣と称えた。
五十嵐さんは｢助けてあげてよかった。次もこういう人を見つけたら助けようと思った｣と話した。
(NST新潟総合テレビ)
