今、全国で相次いでいる「クマ」の目撃情報。
この記事の画像(21枚)東京都も例外ではありません。今年度の東京都のクマの目撃件数は111件。10月だけですでに8件も確認されています。
さらに、10月18日には、人口43万人の都市・町田市でも目撃情報があり、東京都が警戒を呼び掛ける事態になっています。
環境省も、クマの調査や捕獲などに「緊急的な支援」の実施を検討しているといいます。
クマ捕獲の現場に密着取材
今年だけで、すでに57人がクマに襲われケガをする被害に遭っている秋田県。
クマ被害の現状を知るべく、「めざまし8」は、クマの駆除を行っている、秋田県の湯沢市南部猟友会に密着取材させてもらいました。
迎えてくれたのは、猟友会の髙橋俊一さん。早速、一緒に捕獲したクマを見に行くことになりました。
――何頭くらい、わなにかかっているんですか?
高橋俊一さん:
今週で4頭くらいかな。獲っても、獲っても…、減ってはいるんだけど、次から次へと別のクマが来るからどうしようもない。人身被害が増えているから駆除はしょうがないんだよね…。
向かった先にあったのは、「果樹園」です。
高橋俊一さん:
湯沢市の果実帯なんだ。ここら辺は山の中に入り込んだところで、どうしてもクマが山からすぐ来れる場所なんだ。時々、ここに現れては、被害を出してるんだ。
わなの設置ポイントに向かって歩いていると、太い枝がポッキリと折れた木がありました。高橋さんによると、この枝は「クマが折った」のだといいます。
その先をさらに進むと、木の幹に仕掛けられたクマのおりが見えてきました。
高橋俊一さん:
クマ入ってるよ、この中に。
取材スタッフ:
あれがクマのおりですか?近づいても大丈夫?
高橋俊一さん:
大丈夫、大丈夫。
意を決しておりの中をのぞいてみると、うごめく黒い影が。かなり警戒しているようにも見えます。
もう少し…とおりに近づいた次の瞬間!
取材スタッフ:
うわ!!
突然、クマがおりにツメをかけ、飛びかかるような動きをみせました。直後、おりの近くで揺れる葉っぱにかみつきます。
わなにかかっていたのは、体長1mを超えるクマ。体重は54kg。
この果樹園の付近では、今月、人的被害が出ているため、駆除対象になるということです。
利益半分に…深刻なクマ被害
クマが捕獲されたのと同じ、湯沢市内では、別の場所でも畑を荒らされ、育てた作物を食い荒らされる被害があったといいます。
取材班が訪ねたのは、果樹園を営む鈴木裕さん。リンゴとサクランボを作っているといいます。
果樹園を案内してもらうと、木になったリンゴには、かじりついたような傷が…。さらに、地面にもクマに食い散らかされたとみられる無数のリンゴが落ちています。
鈴木裕さん:
落ちているのは、きょうの朝の被害。全部。クマが木に登って枝を折るんですよ。
鈴木さんによると、クマが木に登って枝を折り、地面に落ちたリンゴを食べてしまうといいます。
鈴木裕さん:
毎年500万から600万の利益があるんだけど…。(このままクマ被害が続くと)半分くらいかな。
クマの出没はいつまで続くのか
湯沢市内の被害は、果樹園だけにとどまりません。
10月6日には、散歩をしていた80代の男性がクマに襲われる被害も。被害男性から、通報を依頼されたという人は、そのときの様子をこう話します。
男性のクマ被害を通報した人:
(被害男性が)クマにやられたってタオルを取って見せてくれて、慌てて救急車を呼んだというかんじです。右の側頭部に血がついてて、タオルを取って見せてくれた右アゴの横あたりがえぐれていて、血がポタポタと垂れているような状態だったので、「座って待ってて」と言って。人身被害は噂に聞いていたけど、初めて見たので、ビックリしました。
日本各地で後を絶たないクマの被害。危険を伴うクマの出没は、いつまで続くのでしょうか?
秋田県立大学 生物資源科学部 星崎和彦教授:
今年の場合、餌不足なので、十分な栄養をとれるまでは冬眠に入らない。年末ぐらいまでクマ出没のニュースが出るのかという心配はしています。
(めざまし8 10月25日放送)