2020年7月豪雨で被災した熊本・球磨村で、「くまむら復興祭」が開催された。会場には多くの人が訪れ、タレントショーや子どもたちの踊りなどが催され、一歩ずつ復興への歩みを進める村は活気であふれた。
秋空に舞い上がる復興への願い
10月22日に開催された「くまむら復興祭」の会場となったのは、2020年7月豪雨で大きな被害を受けた渡小学校のグラウンドだ。

祭りのスタートに向けて、球磨村の松谷浩一村長は「災害から3年と4カ月がたとうとしている。一歩ずつではあるが、着々と復興は進んでいると感じている」と挨拶した。

初めに行われたのは、地域の保育園児による風船飛ばしだ。
風船には「くまむらがんばろう」など、園児たちが頑張って書いた復興へのメッセージがつけられている。村の復興への願いとともに色とりどりの風船が秋空へと舞い上がると、園児たちからは「たのしかった」「きれいだった」などの声が聞かれ、喜んでいた様子だった。

園児たちはその後も堂々とした太鼓の演奏や、元気いっぱいの踊りも披露すると、会場からは温かい拍手が送られた。

踊りを披露した園児の1人は、ステージの上から「がんばったよ」とお母さんにつたえていた。
郷土芸能の発表に演歌歌手のステージも
かわいらしいステージのあとは、地域に伝わる伝統的な郷土芸能の発表だ。村が、かつてのにぎわいを取り戻せるように、勇壮なパフォーマンスで会場を盛り上げる。

また、特別ゲストによるタレントショーには、熊本・人吉市出身の演歌歌手・塚原哲平さんが登場。この日の司会を務めていたタレントの高松公平さんと中学校からの仲ということもあり、2人の高校時代のエピソードで場を盛り上げていた。

その後、塚原さんは力強い歌声を披露し訪れた人たちの中には涙する人たちも…。来場者たちは「私たちも心が和む。来てよかった」「励ましてもらうというのが一番うれしい。また頑張ろう、少しずつ頑張ろうと(思った)」と、勇気をもらっていた。

歌を披露した塚原さんは「我々が笑顔を見せないとお客さんも笑えないし、お客さんからの笑顔で僕らも笑えるし、お互いに相乗効果ではないがそういうのが大事だと改めて思った」と笑顔の大切さを語ったうえで、球磨村のために微力ながら応援していきたいと話した。

2回目の開催となったことしも活気であふれた「くまむら復興祭」。一歩一歩、着実に復興への歩みを進める球磨村から、多くの人がパワーをもらったようだ。
(テレビ熊本)