災害からの復興を支援する「くまもと復興映画祭」が、2020年の豪雨の被災地、熊本・人吉市で開催された。人吉市出身のタレント・内村光良さんもふるさとのステージに立ち、会場を盛り上げた。

熊本に寄り添う くまもと復興映画祭

6月24日、人吉市で開催された「くまもと復興映画祭」。

この記事の画像(13枚)

行定勲監督:
昨年築いた歴史があって、さらにそれを超えるような映画祭にしたいという思いで上映するので、ぜひ楽しみにしてほしい

熊本市出身の映画監督・行定勲さんがディレクターとなって、熊本地震発生の翌年2017年から毎年開かれてきた。

お笑いタレントのコロッケさん
お笑いタレントのコロッケさん

これまで多くの有名ゲストが登場し、熊本の復興を後押ししてきた。どんな時でもくまもと復興映画祭は、復興に向けて歩みを進める「くまもと」に寄り添ってきた。

女優の伊藤沙莉さん
女優の伊藤沙莉さん

そして2022年は、2020年7月豪雨で被災した地域が会場に。2023年も「球磨川特別編」として人吉市で開催となった。

内村監督作品がオープニング飾る

オープニングを飾ったのは、人吉市出身のタレント・内村光良さんが監督・脚本を務めた「夏空ダンス」。

ダンスに打ち込む女子高生が夢に向けて、一歩踏み出す短編映画だ。上映後には、恒例のトークイベントがあり、内村さんも登壇。映画の製作に向けた当時の思いなどを語った。

内村光良さん:
水害から1週間後に人吉に行ったが、コロナがひどくて日帰りしかできず、ただ、その時に川沿いを見たら本当に変わり果てていて、最初は映画どころではなかったが、1年たったあたりで(記録として)残しておきたいと

また、内村さんと観客とのやりとりでは、教え子の凱旋を一目見ようと会場を訪れていた高校時代の恩師・生田和人さんから質問を受け、内村さんも驚いた様子だった。

内村さんの高校時代の恩師・生田和人さん:
高校の時からの映画監督になるという夢を実現してここに来ているので、目標を実現する勇気と努力に脱帽。われわれの誇りというか自慢

高良健吾さん初監督作品など5本上映

この日、上映されたのは5作品で、その内の1本「CRANK」は、熊本市出身の俳優、高良健吾さんの初めての監督作品だ。

俳優・高良健吾さん:
俳優をやっていると後悔やあら探しをすることもあるが、監督だと、出来に関して思うところはめちゃくちゃあるが後悔は1ミリもない。撮ること自体に大きな覚悟が必要だったから

熊本・玉名郡玉東町に住む高校生・柳明日菜さんが初めて主演を務めた映画「テクノブラザーズ」
熊本・玉名郡玉東町に住む高校生・柳明日菜さんが初めて主演を務めた映画「テクノブラザーズ」

そして玉名郡玉東町に住む高校生、柳明日菜さんが初めて主演を務めた「テクノブラザーズ」も上映された。柳さんが映画の道を志したのも、この復興映画祭がきっかけだった。

俳優・柳明日菜さん:
将来、何を目指したらいいのか見えていなかったので、言葉にはできない何かしらの答えをもらったのが2021年の復興映画祭。それで「自分も映画を作ってみたい」となって、この舞台に戻ってこられたのは自分の中では成長したなと

内村監督「やってよかった」

7回目の開催となった「くまもと復興映画祭」。2023年も多くの人が映画の、そして人吉の魅力を味わい、来場者からは「映画のチョイスが素晴らしい」や「映画祭だからこそ出会える映画があると思う」と映画祭の継続を望む声や、「また人吉に来たいと思える素晴らしい映画祭だった」と評価する声が上がった。

内村光良さん:
すごく笑顔がたくさん見られたのが何よりも「やってよかったな」とお客さんの笑顔で自分も頑張らなきゃなと

くまもと復興映画祭のディレクターでもある行定勲監督は「作り手は、忘れてはならないことを映画の中にとどめようとする。その思いを見た人たちが広げていく」と話し、その一連のつながりを今後も作っていきたいと話した。

(テレビ熊本)

テレビ熊本
テレビ熊本

熊本の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。