記録的な大雪によって、新潟県内では3年間で2度も車の大規模な立往生が発生している。車の乗員の安全を確保するため、新潟市で大規模な立往生を想定した訓練が行われ、関係機関が連携面を確認した。

「41時間食料もガソリンも来なかった」

2020年12月…記録的な大雪により、関越道では最大2100台の車が立往生した。

関越道での立往生(2020年12月)
関越道での立往生(2020年12月)
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この立往生解消までは3日を要した。

当時、車のドライバーは「寒さと恐怖。生きるか死ぬかという感じだった」「41時間待ったが食料は来なかった。ガソリンも来なかった。近くにいる3台の車で順番に3人で過ごした」と、その過酷な状況について話していた。

この教訓から大雪が予想される際、NEXCO東日本や北陸地方整備局などは早期に道路を通行止めにするなどの対策を取る方針を決めた。

国道での立往生(2022年12月)
国道での立往生(2022年12月)

しかし、2022年12月、柏崎市や長岡市の国道で再び記録的な大雪による大規模な車の立往生が発生した。

反対車線も動かず…
反対車線も動かず…

こうした立往生が発生した際に懸念されるのが、車の乗員の安全確保だ。

現地の状況をリアルタイムで把握へ

新潟市で2023年10月17日、北陸地方整備局やNEXCO東日本など10機関から約200人が参加し、大雪による車両の大規模滞留を想定した対応訓練が行われた。

訓練は妙高市の国道18号で1200台の車が滞留したことを想定して実施。

立往生を想定して訓練開始
立往生を想定して訓練開始

WEB会議システムを活用した情報共有や、滞留している車の乗員への支援物資などを配布する手順が確認された。

さらに、今回の訓練からはカメラで現地の状況をリアルタイムに配信できるウェアラブルカメラを活用。

現地の状況がリアルタイムで分かることで乗員の体調などを把握でき、避難計画や具体的な対策も立てやすくなるという。

胸元には“ウェアラブルカメラ”が
胸元には“ウェアラブルカメラ”が

北陸地方整備局の齋藤充統括防災官は「対策本部で情報を把握することによって、実際に現場で何が起きているかを的確に我々も把握をして、それに対してどうすればいいかをまた現場と一緒に考えた上で行動に移せると思っている。非常に有用」と話した。

リアルタイムでカメラ映像を確認できる
リアルタイムでカメラ映像を確認できる

秋も深まり、冬が近づく中、北陸地方整備局は早めのタイヤ交換のほか、大雪が降った際には不要不急の外出を控えるよう呼びかけている。

立往生に巻き込まれないよう注意が必要
立往生に巻き込まれないよう注意が必要

一方で、大雪となっている地域には近づかない、迂回するなど渋滞に巻き込まれないようにすることも重要だ。

(NST新潟総合テレビ)

NST新潟総合テレビ
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