Arc Times編集長・尾形聡彦 氏:
火曜(会見翌日)の夜ですね。夜に関係者から入手しまして、それはモザイクがかかったものなんですけれども、そのリストの中に出てくる見取り図が、運営関係者しか持ってないものだということが(取材をして)わかって。

ジャニーズ事務所会見での「NGリスト」だという資料(Arc Times編集長・尾形聡彦 氏提供)
ジャニーズ事務所会見での「NGリスト」だという資料(Arc Times編集長・尾形聡彦 氏提供)
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それは、ジャニーズ事務所の会見を巡り波紋を広げている、PR会社が作成した「NGリスト」とされる書類。質疑で当てないようにとされる“NG記者”が6人指定されているが…。

Arc Times編集長・尾形聡彦 氏:
私はこれ(NG)ということのようですね。

芸能界取材歴25年 ジャーナリスト 松谷創一郎 氏:
これ(NG)、私なんですよね。

ジャーナリスト 鈴木エイト 氏:
私はですね、これ(NG)ですね。名前を確認していますよってのを、あるスポーツ紙の記者の方から聞きましたね。

Mr.サンデーは、渦中の「NGリスト」に、自らの名前が載っているとされる6人と接触。
10月2日の会見では、記者と司会者との間で、こんなやりとりが繰り広げられた。

ジャニーズ事務所が開いた2回目の会見の様子(10月2日)
ジャニーズ事務所が開いた2回目の会見の様子(10月2日)

記者:
フェアじゃない。ちゃんと当ててください。

司会者:
フェアです。ちゃんと全体見えていますから。

会見に出席した東山紀之 社長と、関連会社社長の 井ノ原快彦 氏(10月2日)
会見に出席した東山紀之 社長と、関連会社社長の 井ノ原快彦 氏(10月2日)

記者:
当てて当てて!

記者:
ちゃんと順番回して!!

もし、この会見で指名されていたら、彼らが聞きたかったこととは…?

本間龍氏「新会社名をファンクラブで公募は意識足りないのでは」

ーーなぜNGリストに入ったと思われますか?
ノンフィクション作家 本間龍 氏:
僕の場合は(NGになった)直接的な理由としては1つしかなくて、9月7日の前回のあの記者会見ですよね。当初はジャニーズの社名を残すという発表を東山さんがされたので、僕はそれは違うんじゃないかと。それでだいぶ、彼らは驚いたんじゃないかなと思うんですよね。

ノンフィクション作家 本間龍 氏。1回目の会見では質問できたものの、2回目の会見では当てられなかったという
ノンフィクション作家 本間龍 氏。1回目の会見では質問できたものの、2回目の会見では当てられなかったという

そう語るのは、ノンフィクション作家の本間龍氏。9月に行われた1回目の会見ではこんなやりとりがあった。

ノンフィクション作家 本間龍 氏:
ジャニー喜多川氏のつくった会社で、(性加害の被害者を)不幸のどん底にたたき落としてきたという状況の中で、その方の名前を今後も頭に乗っけていくというのは、あまりにも常識外れだと思います。
ジャニーズ事務所・東山紀之 社長:
おっしゃる通りだと思います。

そして、ジャニーズの社名を変更し、タレントのマネジメントを行う新会社を立ち上げることが発表された10月2日の会見。本間氏は後半、手を挙げ続けても当てられなかったというが…どうしても聞きたかったこととは?

ノンフィクション作家 本間龍 氏:
新会社の社名をファンクラブで公募すると。これもやっぱり、意識が足りないんじゃないですかと。やっぱりジャニー喜多川が大問題を起こしたから、そういう状況になったわけで。
なのに、そのファンクラブで社名を公募するということは、イベント化して、なんとか「もうそれは終わったこと」だと。昔のことだっていう印象付けたいんだろうなと思ったんで。

松谷創一郎氏「新会社はジャニーズ事務所とお金の流れを断ちきれるのか」

芸能界取材歴25年 ジャーナリスト 松谷創一郎氏:
(“NG記者”)6人の中で、おそらく一番長くジャニーズの問題を追っていたのは、私なんですね。ジャニーズの業界内でのやり方ですね。それに関しては、かなり追及をしてきたんですよ。

ジャーナリスト 松谷創一郎 氏
ジャーナリスト 松谷創一郎 氏

ジャニーズ事務所による圧力や忖度などの実態を取材してきたと語る、ジャーナリストの松谷創一郎氏。1回目の会見では…。

芸能界取材歴25年 ジャーナリスト 松谷創一郎 氏:
特別チームの調査報告書では「メディアの沈黙」が挙げられていました。こうしたことを招いた根源に、やはりジャニーズ事務所のメディアコントロールがあったと考えられます。
ぜひ、ここで改めて一度、忖度・圧力は必要ないというふうに明言してください。

ジャニーズ事務所・東山紀之 社長:
必要ないと思っています。公平に行くべきだなと僕自身も思っております。

そして、今回の会見。松谷氏はどうしても仕事の都合がつかず、不参加だったというが、NGでなければ、聞きたかった質問があったという。

芸能界取材歴25年 ジャーナリスト 松谷創一郎 氏:
新会社ができるという話とかは、本当に(ジャニーズ事務所との)お金の流れ自体を断ち切るのは、どうすればいいのかっていうところがポイントになってくるだろうと。お金の流れを、どうやって本体に還流しないようにするのか、細かく聞きたかったんだけれども。

指摘したのは、社名を変更し補償に専念するというジャニーズ事務所と、マネジメントを行う新会社との距離感。この2社の舵取りを担うのが東山紀之新社長だが…。

尾形聡彦氏「新社長として自身を適格な人物と思うか」

NGリストに、自身の名前があると言うオンラインメディア「Arc Times」編集長の尾形聡彦氏。心当たりは、1回目の会見にあったという。

Arc Times編集長 尾形聡彦 氏
Arc Times編集長 尾形聡彦 氏

Arc Times編集長・尾形聡彦 氏:
東山氏に対してですね、性加害が行われていたその場(合宿所)にいてですね、知っていたかもしれないということで、社長になるのはどうかという質問をしてたんですね。

そして、今回の会見では…。

Arc Times編集長・尾形聡彦 氏:
私の左右の芸能リポーターの方2人当たってましたし、でも私当たらないと。最初に一番大きく(手を)挙げるようにしてるので、そうやって当たらなかったことは、今までないので。

そんな尾形氏が、どうしても聞きたかった東山氏への質問とは…?

Arc Times編集長・尾形聡彦 氏:
質問は、実は1問は聞いていて、まああの中で皆さんから、色々野次られながら。

改めて、10月2日の会見を見ると…。

司会者:
指名されてからでお願いします!

Arc Times編集長・尾形聡彦 氏:
9月7日の会見の後にも、東山さんにも加害であるとか、気づいていたという話が証言として出てきています。

この時、指名されないまま質問を強行し、会場を騒然とさせていたのが、尾形氏。マイクがなく、音声は聞き取れないが…。

Arc Times編集長・尾形聡彦 氏:
東山さんは前回の会見で、見て見ぬふりをしたと言いましたよねと。で、色々なハラスメントの話とかいう報道が出ていますと。で、私たちも取材でそういう証言も聞いてますと。
それを踏まえて現状で、ご自身の社長の適格性についてどう思うのか?それは本来、その会見で聞くべき本質的な質問で、巨大な性加害問題の記者会見で、経営陣として東山氏がその問題を一掃するのにふさわしい人物か。それは、必ず聞かなきゃいけない話だと。

さらに、東山氏への質問を用意していたのが、もう1人…。

佐藤章氏“NGリスト”に名前あるも…なぜか指名

ジャーナリスト 佐藤章 氏:
僕はね、動画で批判的な解説というか、それを展開してきてましたので。そこで(NGに)チェックされたかなと。

元・朝日新聞の記者で、現在はネット配信などを行うジャーナリストの佐藤章氏。今回「NGリスト」に名前があったと語るが、会見では、なぜか指名されていた。

ジャーナリスト 佐藤章 氏:
僕はとにかく質問したかったんで、肩甲骨をぐっと伸ばしてですね、高々と挙げたんですよね。そしたら、司会やっている松本さんと目と目があって。

佐藤氏は「NGリスト」に名前があったというが、司会者と目が合い指名されたという
佐藤氏は「NGリスト」に名前があったというが、司会者と目が合い指名されたという

ジャーナリスト 佐藤章 氏:
2003年の東京高裁の判決、ジャニー喜多川さんの犯罪について事実だと判断したわけですけども、その時東山さんは38歳というわけですね。責任のある立場にありながら、ジャニ-喜多川さんのそういう犯罪について、防止対策を全然取らなかったということですね。
今度新社長ということですので、是非、その認識をお考えをお聞きしたい。

こうした質問に対して、東山氏は会見終盤…。

佐藤氏の質問に東山社長は(10月2日)
佐藤氏の質問に東山社長は(10月2日)

ジャニーズ事務所・東山紀之 社長:
やっぱり結論的には、やはり僕は見て見ぬふりをしてたということになるのかなと思います。35年、40年ぐらい前で、やっぱり自分自身も何が起こっているかわからないですし、誰かに言えるのかといったら、その勇気は僕にはなかったですね。
だからこそ、僕は向き合っていかなきゃいけないなと。僕自身も本当に、夢としては90歳ぐらいまで舞台に立ちたいなと思っていましたけど、そういうことではなく、やはり今、自分ができること、被害者の方たちにどうやって向き合えるのかっていうことを考えた時に、廃業ということと、やはり自分が社長をやって、自らが動くということで、行動で示していきたいなと思いますし、来年からはしっかりと、もっともっと時間をかけて皆さまに会えると思いますので。

そう胸の内を語った東山新社長。だが、その被害者への補償について、東山氏の本気度を問う“NG記者”がいた…。

鈴木エイト氏・望月衣塑子氏も…

ジャーナリスト 鈴木エイト 氏:
(「NGリスト」を見ながら)私はですね、これ(NG)ですね。右下になります。

ジャーナリスト 鈴木エイト氏。2日の会見では手を上げ続けたが指名されなかったという
ジャーナリスト 鈴木エイト氏。2日の会見では手を上げ続けたが指名されなかったという

10月2日の会見で、終始手を挙げ続けるも、指名されなかったジャーナリストの鈴木エイト氏。どうしても聞きたかったというのが、補償に関する質問だ。

ジャーナリスト 鈴木エイト 氏:
本来であればデビューできて活躍できていたらそれなりの金額を稼げる。収入を得ているような存在になれた可能性もあると。そこをどの程度考慮するのか?逸失利益を入れた場合はですね、その2倍3倍、下手すれば10倍とかになってしまう可能性もあると。
特に今回は法を超えた賠償・補償ということを事務所が謳われていたので、その法を超えたっていうのは、そこまで考えるのか?

さらに、「NGリスト」に入っているとされるのが、Arc Timesキャスターの望月衣塑子氏。案をメモして準備していたが、やはり当たらなかった。

望月氏は、会見で聞きたかったことを、8日、自身のX(旧ツイッター)にこう明かした。

前回会見で「出席を検討する」とした白波瀬傑前副社長がなぜ会見に来ないのか。「加害を知っていた」と認定されメディアの窓口を担った白波瀬氏に説明責任はないのか。白波瀬氏は「ジャニーズ」を残すという判断に関与したのか。   

(「Mr.サンデー」10月8日放送より)