「いつかは結婚したいけど、なかなかいい出会いがない」…未婚の男女が増えている昨今。婚活パーティーなど、さまざまな出会いの選択肢があるが、今回は“ちょっと変わった婚活”を取材した。
シニアが参加する婚活パーティー
この夏、大阪府堺市で行われた、ある婚活パーティー。少し年配の方が多いような印象だった。

「真面目で、ちょっと消極的なので、なかなかご縁にならなくて」
「一人で海外旅行に平気で行っちゃう子なので」
「それはしっかりされてる」
「だからなかなか結婚まで行かなくて」
どうやら、シニアの婚活パーティーではないようだ。
30代の娘を持つ母:
娘のためです。(娘は)消極的です。あまり出ていくタイプではない。年齢もそろそろなので、良いご縁があれば…という感じですね

40代の娘を持つ母:
なかば諦めて、私のそばにいてくれたらいいかなと思っていたのですが、娘が“行ってみて”と言ったから、あらっ、と思って
ここは“親同士の「代理」婚活パーティー”の会場だった。

50歳時点での未婚の割合は増加傾向に
50歳の時点で結婚していない人の割合は、年々増加傾向にある。
1990年に男性で5.6%、女性で4.3%でしたが、2020年には男性で28.3%、女性で17.8%にまで上昇。特に男性は、「4人に1人以上が未婚」となっている(国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集」より)。

49歳の息子を持つ母:
(息子は)仕事一途やったからね。親としてはね、男一人でずっといるより、私らが先逝くのは分かっているから、後が心配。(息子を一人で)残したら
いつの時代も、我が子を思う親の気持ちは変わらないようだ。

“親の婚活”2005年から主催
主催するのは、京都にオフィスを構える「一般社団法人 良縁親の会」。
2005年からこれまでに、延べ4万6000人以上に出会いの場を提供してきた(23年9月現在)。
ルールはいたってシンプル。事前にもらえる情報は、縁談の候補者の簡単なプロフィールと、その親の席次表だけ。この時点では写真はない。それを前もって親子でチェックし、当日、気になる人の“親”を訪ねるという流れだ。顔写真や詳細なプロフィールは、親同士が会って初めて確認することができる。

この日の会場ではこんなやりとりが行われていた。
40代の息子を持つ母:
(息子は)とにかくお給料が少なくて。年を取っているのにお給料が少ないなんて、どうしようもないなと思うんですけど
40代の娘を持つ母:
(娘は)広告会社なので給料は多いと思います。夜遅いし
やりとりのあと、親同士で合意できれば、詳細なプロフィールを交換する。自宅に持ち帰り、息子や娘と相談して本人同士がお見合いをするかどうか決めるという流れだ。
海外メディアからも注目 人気のワケは?
実はこの親同士のお見合い、海外メディアからも注目されていた。この日も会場には複数の海外メディアの姿があった。
ARD ドイツ公共放送連盟・カタリーナ・フォン・チュルチェンターラーさん:
ドイツでは日本と同様、結婚する人は減っています。このイベントは私たちの文化と違うので、ここへ来てどんなものか経験してみたいと思いました。とても感心しました

会場を訪れたある男性は、二人の息子のうち一人がこのイベントを通して結婚に至ったという。
息子がこのイベントで結婚に至った男性は:
第一希望、第二希望、第三希望と(志望順位を)つけています。並んでいて、あかんわと思ったら、帰る時に別の人に会って、その時にうまくいきました。(現在息子は)結婚して、孫がいます

そして今回は、もう一人の息子のために参加。娘の代理婚活をする女性と話していた。
34歳の息子を持つ父:
子ども一人とか女の子一人とかが多いから、子どもに迷惑がかからんように
30代の娘を持つ母:
一緒です。でも(娘より)年下やから、どうかな
34歳の息子を持つ父:
気が合えばいいと思います
やりとりの後、女性は「すごくお父様が気さくな方でいいなと(思った)」と語り、男性は「(親に会えるのは)やっぱり安心です」と話しました。

代理婚活パーティーはなぜ、こんなにも人気があるのか?イベントを主催する代表は、同居する親子が多いことが影響していると話す。
良縁親の会・宮越法子代表:
今日も女性は7割から7割5分、男性でしたら5割5分ぐらいは(親と)同居です。お子さんの安心感があるのだと思います。自分が(婚活を)やるよりも、親の確かな目で見る。親子の共同作業です

日本では結婚する人が減少する中、“親子で婚活”して、幸せを見つける人も増えている。
(関西テレビ「newsランナー」2023年9月26日放送)