被災したJR只見線の全線開通から10月1日で一年。利用客の減少で地方路線の在り方が問われるなか、将来を担う子ども達が今後の只見線について考え、自らの思いを伝えた。

全線再開一年を前に会議

「無人駅で、お茶が出せるカフェを開きます。お客さんと仲良くすることや、地域の人と子どもたちが仲良くするためです」「特別列車指定席の一部が、ロングシートに」など、今後のJR只見線について様々な意見が出された「只見線子ども会議」  沿線に住む福島県と新潟県の15人の子ども達が参加した。

福島・新潟の只見線沿線に住む小学生15人が参加
福島・新潟の只見線沿線に住む小学生15人が参加
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座長は只見線大好き小学生

最年少ながら座長を務めた、福島県只見町の小学3年生・角田淳紘くん。只見線がもっと賑わってほしいという思いから、2022年の夏から子どもの会議を提案し、思いが叶った。

座長は只見町の角田淳紘くん(小3)
座長は只見町の角田淳紘くん(小3)

夢は只見線の運転士

物心ついた時から、鉄道が大好きだった淳紘くん。夢は「只見線の運転士」になること。生まれた時から、新潟・福島豪雨の影響で会津川口駅から只見駅まで不通が続いたが、2022年10月に全線再開通となり、この日は念願でもあった一日駅長を務めた。

全線再開通の日 一日駅長を務める 一番右が淳紘くん
全線再開通の日 一日駅長を務める 一番右が淳紘くん

気がかりは利活用について

夢に一歩近づいた淳紘くん。しかし、只見線が大好きだからこそ、気になることがあるという。「只見線のことを思っていると、利活用が頭に出てくる」と話す。利用者の減少で、存続の議論がされている地方路線。只見線もその一つだ。

只見線が大好きな淳紘くん 気がかりなのは利活用について
只見線が大好きな淳紘くん 気がかりなのは利活用について

興味を持つきっかけに

「大好きな只見線を盛り上げたい」との考えから自ら提案した「子ども会議」。淳紘くんは「みんな只見線に興味を持ってくれたらいいな」と話し、成功させたいという強い思いがあった。

淳紘くん発案の会議 成功させたいという熱い思いで臨む
淳紘くん発案の会議 成功させたいという熱い思いで臨む

大人顔負けのプレゼン

子ども達の発表が続き、いよいよ淳紘くんの発表となった。「只見線を盛り上げるために、観光列車を走らせる。色々な人に乗ってもらいたいです。2つ目のアイディアは、只見線にSLを復活させる。昔の雰囲気を味わえて、みんなにSLのいい所を知ってほしいからです」

絶景路線でもあるJR只見線 
絶景路線でもあるJR只見線 

「最後のアイデアは、無人駅には観光案内の地図を置く。遠くから来た人は、何があるかが分からないから、列車の待ち時間を楽しく使ってほしい」と”只見線への思い”をしっかり伝えた。

只見線を盛り上げるためのアイデアを発表
只見線を盛り上げるためのアイデアを発表

26のアイデアを提出

子どもたちは他にも「列車の増発」「人気アイドルと一緒に乗車する」「車内限定の駅弁を販売」など、26のアイデアを発表。福島県や只見町・JRに提出した。只見町の渡部勇夫町長は「只見線を利用していたき地域の振興につながるように、大人だけでなく、今日の会議で頼もしく思った子どもたちと、みんなで力を合わせて盛り立てていきたい」と話した。

子どもたちからは26のアイデアが出された
子どもたちからは26のアイデアが出された

会議でもっと好きに

子ども達が只見線について考え伝えた「子ども会議」は、淳紘くんにとって貴重な機会となった。「只見線の思いが強くなった。只見線のことについて、一生懸命考えたから、只見線がもっと好きになった」と話す。そして将来の夢も…「只見線の運転士です!」

夢は変わらず「只見線の運転士」
夢は変わらず「只見線の運転士」

10月1日で全線開通から一年のJR只見線。自然豊かなこの路線を守っていくためには、子ども達の意見は大きな力となる。

(福島テレビ)

福島テレビ
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