病院に行くにも、買い物に行くにも、有料道路を通らなければならなく、生活に欠かせない「有料道路」は、いつ“無料”になるのか?について取材した。

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ニュータウンのでの生活に欠かせない“有料道路”いつ無料に?

大阪府の箕面市北部に住む帆足さんは、子育てをするのにいい環境だと1年ほど前に引っ越してきた。そんな帆足さんが気になっているのが、生活に欠かせない有料道路が無料になることがあるのかどうかだ。

帆足さん:
有料道路がいつ無料になるのか気になったので。主に買い物であったりとか、通っている病院によってもそこ(有料道路)を通らなければいけない

帆足さんが住む地域は山間部に開かれたニュータウンで、大きな商業施設には山を越えて行かなければいけない。その時に使うのが箕面有料道路。新御堂筋と箕面市北部の箕面森町を結び、新名神高速道路とも接続している。利用料金は現在、普通車、片道420円だ。

帆足さん:
今のところはできるだけ使わないようにしていて週1程度なんですけど。だいたい月換算でいうと3000円くらい

有料道路の無料化を望む声は他にも…

利用者:
子どもの学校がトンネルの向こうばっかりなので迎えに行ったり、買い物に出たりとかは使っています
生活道路として使っている部分もあるので、できれば無料になってほしいなっていうのはありますね

迂回ルート「カーブの多い山道」使えば倍以上の時間

有料道路を使わず迂回するルートもあるが、カーブの多い山道を通らなければならず、運転が大変なうえに時間がかかる。

樋口諒記者:
箕面森町中心部です。今からこのあたりの人がよく利用するショッピングモールへ行くのですが、有料道路を使う場合と使わない場合、どれくらい時間の差があるのか時間を比べてみます

有料道路を利用すると、14分25秒だが、無料の迂回ルートを利用した場合は35分48秒。その差はおよそ20分。有料道路を使わないと倍以上の時間がかかってしまう。

2047年には無料化予定 現実は…費用回収が遅れ少し延長の可能性が

道路を管理する「大阪府道路公社」に無料化の計画があるか聞いてみると…

大阪府道路公社 今井浩文さん:
箕面グリーンロードは、有料道路事業として40年の事業許可をいただいていまして

箕面有料道路が開通したのは、2007年で40年の事業計画。つまり、2047年までは有料の計画だと話す。

そもそも有料道路は利便性向上などのために作られるもので、建設費などは計画された有料期間内の道路の利用料でまかなわれる。

計画通りに費用が回収できれば有料期間終了後、原則、無料開放されるが、計画通りにいかず、なかなか無料化されない道路があるのも現実だ。

その一つが琵琶湖大橋。1964年の開通後、計画では1987年に無料化されるはずだった。しかし、想定外の追加工事や車線を増やす工事をしたために、これまでに6回、有料期間の変更を行った。現在は2034年まで有料の予定だ。

箕面有料道路に関しても現状、交通量が計画より下回っているため費用回収が遅れていて、2047年の無料化も微妙な状況だ。

大阪府道路室・市道彰グループ長:
最近でしたら、物価高騰だったりとか、更新事業もありますので、今の段階では少し(有料期間の)延長の可能性もあるのかなというふうには思っています

大阪府は「ネクスコへ移管」検討

今回の投稿者、帆足さんは無料化されないまでも、別の期待をしている。

帆足さん:
片道250円、往復でワンコインに収まるくらいの割引が今後できてくるんであればすごくありがたいと思います

値下げをすることは可能なのか。

大阪府は意外な考えを持っていた。

大阪府道路公社 今井浩文さん:
ネクスコ西日本さんに一体的に管理いただくことが最善だと考えていまして

ネクスコ西日本への移管。箕面有料道路と接続する新名神高速道路と一体で管理してもらうことで利用料が下げられる可能性があると考えている。大阪府はネクスコ西日本が管理する道路網に組み込み、距離ごとの料金体系にすれば、現在の420円から390円になると試算している。

実際、2023年4月に京都府道路公社からネクスコ西日本に移管された京都縦貫自動車道では利用料金が一部安くなった。

ただ、高速道路などの無料化は、先延ばしに次ぐ先延ばし状態というのが現実だ。箕面有料道路の無料化は90年以上先になる可能性も。さらに、移管の話はまだ進んでいないということだ。

帆足さん家族のように有料道路が生活で欠かせない人々にとって負担のかからない道路になるのは、まだ先になりそうだ。

(関西テレビ「newsランナー」2023年9月18日放送)

関西テレビ
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