バレーボールのFIVBパリ五輪予選/ワールドカップバレー2023は女子大会も最終日を残すのみ。日本代表(世界ランキング8位)は23日のトルコ戦で初黒星を喫した。

ともに1敗同士である南米女王ブラジル(同4位)と対戦する24日の最終戦は、勝った方がオリンピック出場権を獲得する直接対決となる。

世界ランク4位 ”バレー王国”ブラジル

オリンピックでは2度の金メダル、南米選手権の優勝回数は23度の実績を誇る“バレーボール王国”のブラジル。東京2020オリンピックを境に、若手選手を積極的に起用するなど、一部のポジションで世代交代に踏みきりながら、地力の高さは変わらず。昨年の世界選手権では準優勝、今年の南米選手権は全勝で制した。

世界ランキング4位のブラジル
世界ランキング4位のブラジル
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特に若手選手の台頭が顕著で、南米選手権では23歳のキージ・ナシメント(背番号16)がベストオポジットに、24歳のニエミ・コスタ(背番号3)がベストリベロに選出された。

リベロのコスタ(写真:©️FIVB)
リベロのコスタ(写真:©️FIVB)

着実に力をつけつつある彼女たちの存在は、これからを見据えたチーム作りにおいて重要な鍵を握っている。

若手の起用と隙のないタレント軍団

一方で、ブラジルの強さを支えるのは経験豊富な面々。エースでキャプテンのガブリエラ・ギマラエス(背番号10)は身長180㎝と、サイズこそ世界を見渡しても小柄だが、抜群のアタックセンスで得点を量産。今大会でも6試合のうち4試合でチーム最多得点をマークしている。

チームの中心 エースのガブリエラ
チームの中心 エースのガブリエラ

また、ミドルブロッカーのタイーザ・メネセス(背番号6)は身長196㎝を生かしたブロックが最大の武器で、19日のブルガリア戦(同18位・9月19日時点)では両チームを通して最多7本のブロックシャットを浴びせた。

ミドルブロッカーのメネセス
ミドルブロッカーのメネセス

同じくミドルブロッカーのアナ・ダシウバ(背番号15)やセッターのロベルタ・ラツキ(背番号9)も長年、代表チームに名前を連ねてきた選手たちであり、安定したパフォーマンスで勝利を呼び込む。

成長著しい新戦力と個々の高い能力を備えるメンバーが融合し、攻守で隙のないブラジル。

パリ五輪へ…ブラジル攻略のカギは

さらには、勝負がかかった試合での集中力はさすがのひと言で、日本の眞鍋政義監督も「プレッシャーのかかった試合でこそ強いですから」と警戒する。

トルコ戦でカラクルトのアタックをブロックした渡邊彩(中央9)
トルコ戦でカラクルトのアタックをブロックした渡邊彩(中央9)

日本はトルコ戦で敗れはしたものの、ミドルブロッカーの渡邊彩がチーム最多4本のブロックポイントをあげるなど攻守で奮闘。チームとしてもサーブから流れを作り、ヨーロッパ女王を相手にセットを獲得してみせた。

トルコ戦でサービスエースをとった関菜々巳
トルコ戦でサービスエースをとった関菜々巳

ブラジルとの“勝つしかない”一戦。「最大集中して」(眞鍋監督)、オリンピックの切符をつかみとる。

文/坂口功将(月刊バレーボール編集部)

FIVBパリ五輪予選/ワールドカップバレー2023
プールB順位表(開催国:日本)9月23日時点
1位:トルコ 6勝0敗
2位:日本 5勝1敗
3位:ブラジル 5勝1敗
4位:プエルトリコ 3勝3敗
5位:アルゼンチン 2勝4敗
6位:ベルギーン2勝4敗
7位:ブルガリア 1勝5敗
8位:ペルー 0勝6敗
※上位2カ国がパリオリンピック出場権を獲得する

FIVBパリ五輪予選/ワールドカップバレー2023
日本戦全戦をフジテレビ系独占中継!
女子大会:9月16日(土)-9月24日(日)
男子大会:9月30日(土)-10月8日(日)
東京・国立代々木競技場 第一体育館にて開催

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。