明治時代に福井の眼鏡産業の礎を築いた増永五左衛門の奮闘を描いた映画「おしょりん」が完成した。10月の先行上映を前に、主演女優・北乃きいさんが杉本知事を表敬訪問し、「眼鏡職人の諦めない姿に注目してほしい」と語った。

県民の協力がないとできなかった作品

9月14日に県庁を訪れたのは、主演を務める女優の北乃きいさんと監督の児玉宜久さんだ。知事との面談で、2人は福井での撮影を振り返った。

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北乃きいさん:
福井の方の役を演じるにあたり、福井で撮ることは役を作る上で大事。福井の風を感じながら、食事しながら、休憩時間もずっと福井弁の中で過ごす時間が大切で、福井で全部撮ることができてよかった

児玉宜久監督:
準備段階から県民の協力がいっぱいあり、本当に県民の協力がないとできなかった作品。完成した作品は皆さんで共有して楽しんでもらい、多くの人に見ていただきたい

映画「おしょりん」は、明治時代の麻生津村、現在の福井市を舞台に眼鏡産業を根付かせた増永五左衛門らの奮闘や家族愛などを描いた作品だ。五左衛門の役を俳優の小泉孝太郎さんが、その妻の「むめ」の役を北乃さんが演じている。

福井の素晴らしさを全国に

「おしょりん」とは福井の古い方言で、「田畑に降った雪の表面が固く凍った状態」を指す。おしょりんになればどんな場所でもまっすぐ歩いて行けるため、映画では夢に向かって自由に突き進もうという思いを込めた。

北乃きいさん:
眼鏡職人の夢に向かって諦めない、努力し続ける姿を注目してほしいし、支える妻たちの夫を信じぬく力や、気持ちの部分でも熱いものがある。福井は人、場所、食べ物も本当に素晴らしいと思っているので、見終わった後に福井に行きたいと思ってもらえたらうれしい

児玉宜久監督:
とにかく全部福井で撮っているので、作品を見ていただき、「県内にこんな所もあるんだ」と再発見し、まだまだ自分たちの町には素晴らしい財産がいっぱいあることを再確認して、全国の人たちに伝えていただければ

映画「おしょりん」は、10月20日から県内で先行上映が始まり、11月3日から全国公開される。

(福井テレビ)

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