アユ釣りのメッカとして知られる福井県内の一級河川・九頭竜川。その河川敷で大麻草を栽培したとして男が逮捕された。警察から提供された写真には、茂みに隠れるように…だが見上げるほど立派に育った大麻草が。現場からは液体肥料なども見つかっており、警察が他人への譲渡の可能性も含め捜査を進めている。
河川敷や自宅敷地で大麻草を栽培
大麻草栽培規制法違反で逮捕されたのは、勝山市立川町の林業経営の51歳の男と、同じく勝山市郡町の会社員の61歳の男。2024年12月にこの法律が施行されて以降、県内では初めての検挙だ。
警察の調べによると、林業経営の男は2025年4月から6月頃にかけて、勝山市内の九頭竜川の河川敷で大麻草22本を、会社員の男は2025年6月頃、自宅の敷地で大麻草2本を栽培していた疑いが持たれている。
容疑者2人について「大麻草を栽培している」との情報が警察に寄せられことが逮捕のきっかけになった。2人は知人関係で共に容疑を認めているが、共謀していたかは不明だ。
2メートル50センチ超えも…「薬物としては使えない」
2人が栽培していた大麻草は警察がすべて押収したが、河川敷の大きいものでは高さ2メートル50センチまで生長していた。栽培現場からは、栽培に使ったとみられる液体肥料も押収された。
警察によると、大麻草は肥料が必要なことはもちろん、栽培に手間がかかる植物だという。また、幻覚を起こす成分が多く含まれる花穂と呼ばれる部分がつくまで、ある程度の大きさに成長させる必要がある。だが、押収された大麻草にはまだ花穂がついておらず、薬物としては十分に使えないものだったという。
警察は、情報提供があったことで大麻草が薬物に使われるのを未然に防げたとしている。

警察は2人が自ら大麻を使用する目的で栽培していたとみているが、他人に譲渡した可能性も含めて捜査している。
大麻草栽培規制法は大麻取締法の改正に伴い2024年12月に施行されもので、以前より刑が重くなった。改正法施行後、県内では今回が初の検挙となる。
