中古車販売大手、ビッグモーターの店舗前で街路樹が不自然に枯れる問題が発覚してから1カ月余りが経過した。9月、福井にある店舗を訪れると、国道沿いには雑草が広がり、出入りする客はほとんどいなかった。国は店舗前の土壌から除草剤の成分を確認し、警察への被害届の提出や損害賠償請求といった動きを進めている。
店舗前には徐々に雑草の姿が
9月14日、福井市内にあるビッグモーター前を取材すると、国道沿いの花壇には雑草が広がっていた。
この記事の画像(4枚)7月下旬に訪れたときは、草はほとんど生えておらず、土壌がむき出しになっていた。ただ、今でも除草剤の影響か、所々草が生えていない場所があった。
取材中、店舗への客の出入りはほとんどなかった。関係者によると、問題発覚前に比べて訪れる客は半分以下に落ち込んでいるという。
一方、福井・越前市内の店舗前では、歩道側に面した街路樹だけが枯れていた。
協定解除…警察には被害届を提出
福井河川国道事務所は過去、県内のビッグモーター2店舗に国道沿いの花壇の管理を委託する協定「ボランティア・サポート・プログラム」を締結した。2019年には美化に貢献したとして、この2店舗に感謝状を贈っている。
しかし、福井河川国道事務所は2021年、越前店で街路樹が伐採されていることを確認。店側が伐採を認めた上で「花を植える」と約束したため、原状回復を求めていた。
ただ、その後も花が植えられていないことや除草剤の散布がわかったため、8月18日に協定を解除した。
店舗前の土壌から除草剤の成分が確認されたことから、福井河川国道事務所は9月15日、警察に被害届を提出した。原状回復については国が行い、その費用をビッグモーターに請求することにしている。
(福井テレビ)