長野電鉄屋代線の跡地の利用はどうなっているのか。廃線から11年余り、千曲市では一部の区間が自転車・歩行者専用道路として9月11日から活用が始まった。ただ、総延長24.4キロの整備はなかなか進んでいないのが現状だ。

(※外部配信先では動画を閲覧できない場合があります。その際はFNNプライムオンライン内でお読みください)

ようやく立ち入り禁止の柵が撤去

9月11日午前9時―。

立ち入り禁止の柵が撤去されたのは、千曲市の屋代中学校北側の道路・518メートル。

自転車・歩行者専用道路として活用が始まった。

近くの住民は、「すごく広々していて、子どもを連れていても安心して歩ける」、 「サイクリング歩行者道路っていいね」と、待ち望んでいた活用のようだ。

千曲市では一部の区間が自転車・歩行者専用道路として活用始まる
千曲市では一部の区間が自転車・歩行者専用道路として活用始まる
この記事の画像(5枚)

全長24.4キロを長電から無償譲渡

この場所、実は11年前まで電車が走っていた。 千曲から須坂をつないでいた長野電鉄屋代線。利用者の減少などを理由に2012年3月に廃線となった。

千曲市・長野市・須坂市は全長24.4キロを長電から無償譲渡を受け、跡地は自転車道や遊歩道などに整備する方針だった。

千曲から須坂をつないでいた長野電鉄屋代線(2012年撮影)
千曲から須坂をつないでいた長野電鉄屋代線(2012年撮影)

廃線から11年余り 進まない整備

ただ、廃線から11年以上たったが、整備はなかなか進んでいない。

千曲市は、今回初めて518メートルを整備。

最も長い16.3キロを譲り受けた長野市はまだ6.5キロのみ。

須坂市は3.9キロ中2.8キロとなっている。

旧屋代線跡地の整備状況
旧屋代線跡地の整備状況

3市の事情などで整備はまちまち

千曲市は市役所の新庁舎の整備や台風19号災害への対応を優先したとしていて、2024年度末には、さらに400メートルほどの整備を終える予定だ。

千曲市都市計画課の伊藤和也主幹は 「まだまだ518メートルと短い区間ですが、車の通らない安全な道なので、ウオーキング、サイクリングなどで多くの人に利用してもらえれば」と話す。

一方、長野市や須坂市も地元の要望や周りの開発などがあり、すぐに整備できないという事情があるという。

3市の事情などで整備がまちまちとなっている屋代線の跡地。

24.4キロについては自転車・歩行者道路としてつなげる構想は変わっておらず3市は今後、連携を深めていきたいとしている。

整備が進まないところも
整備が進まないところも

(長野放送)

長野放送
長野放送

長野の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。