2023年度に100歳を迎える福井県の男性2人に9月、地元市長から記念品などが贈られた。県民に占める100歳以上の割合は約0.9%。長生きの秘訣(ひけつ)を尋ねると「好き嫌いのない食事」と「運動」という共通点が浮かび上がってきた。
食事は「嫌なものでも食べる」
坂井市に住む宮越秀志さん(99)は、2023年10月に100歳を迎える。戦争、シベリア抑留、1948年の福井地震、高度経済成長など激動の時代を生き抜いてきた。
今は心不全などの病気を抱えているが、生活に支障が出るほどではない。健康の秘訣を聞くと、最初に返ってきたのは「食事」だった。

宮越秀志さん:
食事は自分の嫌な食べ物もあるけど、無理して食べている
また30歳ぐらいの頃、健康診断で血圧が高いことに驚き、酒やタバコはやめた。妻と続けていた散歩は体力の衰えのため中断したが、今でも週1回は地域の老人クラブで体を動かしている。この運動が生きがいだという。
宮越秀志さん:
マレットゴルフ、輪投げ。ゴルフ関係はみんなやっていた

9月4日、敬老の日を前に坂井市の池田禎孝市長が宮越さんの自宅を訪れ、記念品などを贈った。
同席した96歳の妻・おとゑさんとは結婚して2023年で75年になる。おとゑさんは、「ひどいけんかはしたことはない」と話していた。
そして最後に夫婦円満について聞いた。

宮越秀志さん:
(けんかした時は)どっちかが折れないといけない、何事も。きょうまで一緒に居られたことは一番幸せ
健康な体をつくる「毎日の散歩」
一方、つえをつかずに元気に歩くのは大野市の雨塚悟さん(99)だ。大正13年生まれで、2024年1月に100歳になる。
丈夫な足腰の秘密を聞くと、建設業で長年体を動かしていたことを挙げた。今も家の周りで毎日散歩を続けている。

雨塚悟さん:
(普段は)畑の草むしりをしたりしている。何もしないではいられないので、何かしていないと寂しい
今も食事は必ず3食とっている。好き嫌いはほとんどないが、昔から肉は苦手だという。夕食時にはコップ一杯の酒をたしなむ。つまみはピーナッツと魚が多いという。

9月5日、大野市の石山志保市長が雨塚さんを訪ね、100歳を祝った。2023年の目標を尋ねると「北海道に行きたい」と答えた。
雨塚悟さん:
北海道に弟がいたが亡くなってしまった。親戚は残っているので行ってみたい
福井には2022年9月1日時点で、100歳以上の高齢者は701人いる。このうち女性は88%、男性は12%を占める。
(福井テレビ)