もし、あなたの行動がカメラに記録され、AIで行動を解析されているとしたら、どう感じますか?
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今、そんな物議を醸し出しているのは、渋谷駅周辺の商業施設や公共の場に100台のAIカメラを設置する「渋谷100台プロジェクト」です。
プロジェクトのホームページによると、渋谷に設置する100台のAIカメラによって人流データを可視化し、分析。それにより「防犯」や「マーケティング」に使えるデータを作ることができるといいます。
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性別、年代、服装、持ち物、行動、位置情報などを取得できるほか、100台のAIカメラを使えば、各人物の移動を追跡。さらに、通年の行動データがリアルタイムで蓄積できるというのです。
物議を醸したのは、ホームページに記載されていたAIカメラに記録された個人の行動データの例。
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現在は修正されましたが、「40代 男性、同席者有り(30代/女性)、ブランドAを着用/所持」「休日12時より渋谷に銀座線で到着、ヒカリエでランチ」など、あまりにも詳細すぎる個人の行動記録が記載されていたため、「個人を特定できる情報の収集ではないか」という指摘が相次いでいました。
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こうした事態を受け、プロジェクトは9月5日にホームページを更新。「すでに実施中の取り組みであるように誤解を招く可能性のある記載であった」とした上で、ホームページ内の記載内容の修正を行いました。
さらに、懸念されている映像の取得に関してはこんな記載も。
「当社が収集するデータは、総務省の定める『カメラ画像利活用ガイドブック』に従った人流に関する属性情報およびこれに基づく統計情報となります」
「よって、個人情報保護法の定義する個人情報には該当しないものと認識しております」
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法にのっとりながら「適切な管理を行っている」としています。
プライバシーへの配慮は?
AIカメラの設置については、「悪用されなければ」「犯罪や防犯面で役に立ってくれれば」と、防犯面での期待の声が上がる一方で、渋谷を取材するとこんな場面も。
スタッフが、「普段歩いている時にカメラを意識するか」と聞いたところ、「あったら見てしまう」という女子大学生たち。
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取材スタッフ:
(カメラが)あそこにあるんですが…。
女子大学生:
えー気づかない!見えなかった!怖い…、普通に自分の行動が監視されている感、見られている感があるのは怖いなと。
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では、実際にAIカメラでどこまで個人情報が分かるのでしょうか?
プロジェクトの主体となっている会社の技術を使ったAIカメラで撮影された、5日の渋谷の様子を見せてもらいました。
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防犯につながるようにリアルタイムで配信を行っているほか、通行する男女比率など人の流れが分かるようになっています。
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AIカメラを設置している、渋谷センター商店街振興組合の土屋仁理事によると、プライバシーに配慮して、顔は特定できないよう、画質を落として調整しているといいます。
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確かに映像をよく見ても、個人の顔はあまり鮮明には映っていません。
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渋谷センター商店街振興組合 土屋仁 理事:
(繁華街は)騒動が起きやすい場所なので、そういう点では防犯上の抑止力になるのではないかと。
若狭弁護士「個人情報保護法違反になりかねない」
ITジャーナリストの三上洋氏によると、AIを搭載した防犯カメラは、一般的な防犯カメラが読み取れる「人物検知」「動線検知」だけではなく、人物検知において性別・年代・服装・動作もデータ取得、人の滞留を検知したり、不審者の確認にも役立つ「物体検知」なども可能になるといいます。
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ITジャーナリスト 三上洋氏:
以前は録画したものを分析すると詳細な情報が出てきた。ところが最近はカメラ自体が、カメラの端末の中で分析し合っていているので、たくさんのカメラのデータを集めてくるといろんな事がリアルタイムで処理できるというのが特徴です。
![ITジャーナリスト 三上洋氏](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/1/5/700mw/img_1530f831279c3009233b9186b17fa6ea599647.jpg)
AIカメラを利用してこれらの情報を得ることは、法的には問題はないのでしょうか?
スタジオゲストの若狭勝弁護士は、「個人情報保護法違反になりかねない」と指摘します。
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若狭勝弁護士:
防犯目的や犯人検挙のためのものであれば問題ないと思うのですが、それ以外の商業ベース的なものになると、映像というのは個人情報になるので、個人情報をこういう形で収集するということになると、場合によっては個人情報保護法違反になりかねない。
収集して編集して、それを第三者に提供するということになる場合には、本人の同意を事前か事後に受けなくてはいけない。同意を得なければいけないというのが、個人情報保護法の立て付けだと思います。ですから、これが無制限にどんどんされるとなると、その辺の法律に抵触する可能性は出てくるとは思います。
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若狭勝弁護士:
個人情報保護法だけの問題ではなくて、やはりプライバシーというものはありますので、無制限にとられてしまうということになると、プライバシーの侵害になるということで、民事的な問題にはなり得ると。
MC谷原章介:
ただ、これ自体を規制する法律はまだなさそうなんですね。
三上さん自身はこうしたカメラの設置には賛成ですか?反対ですか?
![今回のような形のAIカメラの設置には反対だという三上氏](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/3/0/700mw/img_3052f3dfaadf1717c6e1f4af05a044c8432787.jpg)
ITジャーナリスト 三上洋氏:
反対ですね。これは公共の場所で、私たちの承諾なく「識別」「特定」されると。
私が街を歩いているだけで、その人が何をやっているかを勝手に収集されてビジネスに使われる。これは勘弁してくださいよという話だと。
MC谷原章介:
やはり、きちんと法整備をしておいてほしいですよね。大きな問題が起こる前に。
(めざまし8 9月6日放送)