梅雨のシーズンに増加するのが「片頭痛」があげられる。患者は全国に1,000万人、実に12人に1人が悩んでいるという調査もある。市販薬があるため、患者の7割が受診しないというが、専門医は「頭痛を悪化させるおそれもある」と病院の受診を勧めている。

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街の人:
低気圧で頭が痛くなるタイプ。市販薬を飲むか、寝るか

街の人:
頭痛いなと思うくらいで、やり過ごしている

街の人:
片頭痛持ちなので結構ズキズキする。医師に処方された薬を飲んでいる

鎮痛剤を飲み過ぎて悪化のおそれも

片頭痛は気圧や湿度の影響を受けるため、梅雨と密接に関連している。

村田光広気象予報士:
この時期は梅雨前線の上を低気圧が通過し、気圧の低い状態が長時間続く傾向にある。曇りや雨が多くなり、日照時間は少なくなる。湿度が高くなり、日差しがないことで不快感が出てくるかもしれない

福井市にある福井愛育病院副院長で、頭痛専門医の石原靖紀医師に詳しく聞いた。

愛育病院 副院長 頭痛専門医・石原靖紀先生:
片頭痛は脳の病気で、生活に支障をきたすような中等度から重度の頭痛発作を繰り返し起こす

片頭痛の発作ではズキンズキンと脈打つような痛みが起こり、それが4時間から72時間続く。また、吐き気が強く出るほか、光や音にも過敏になることがある。

石原医師によると、発症者の半分は遺伝で、特に20代から40代の女性が患いやすい。

月経時にホルモンバランスが大きく変動することで、片頭痛が起こりやすいとされる。ただ、患者の7割は病院を受診していないという。

愛育病院 副院長 頭痛専門医・石原先生:
頭が痛いと鎮痛薬を飲む人が多いが、鎮痛薬を飲みすぎると薬物使用過多で頭痛になる。そういう頭痛になると抜け出せない

子どもの場合は症状をうまく伝えられないこともあり、慎重に判断する必要がある。吐く症状出ることから、胃腸炎と間違えられる場合がある。

簡単にできる片頭痛の予防策

福井テレビ・佐々木菜緒記者:
片頭痛はちょっとした工夫で予防することができます。電車やバスに乗る時、みなさんはどの席に座りますか?

電車やバスは振動や気圧、においなどで脳を刺激するため、座席の位置を工夫すると予防につながることがある。

例えば高速で移動する新幹線の場合、新幹線同士がすれ違う際に急激な気圧変化が生じる。それを避けるため、対向側とは反対の進行方向左側に座ると良いという。

規則正しい生活や適度な運動など、生活習慣を正すことも効果的だ。

最も効果的な対処法は薬物療法だ。ただ、頭痛発作が強いため、市販の鎮痛薬を飲んでも効かないことがある。内科や頭痛外来、小児科を受診して片頭痛のための薬をもらうのが良い。

愛育病院 副院長 頭痛専門医・石原先生:
梅雨の時期は一般に体調を崩しやすいが、片頭痛は気圧や湿度の変動で悪化しやすいので、生活に支障をきたす場合は病院の受診をすすめる

(福井テレビ)

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