ちょうど100年前の9月1日、正午前に起きたマグニチュード7.9の巨大地震「関東大震災」では、激しい揺れで7万9733戸の家が倒壊したほか、官庁街の近代的なビルが倒壊した。

日本有数の繁華街だった浅草では、日本で初めてエレベーターが設置された、高さ50メートルあまり、12階建ての展望タワー「凌雲閣」が崩れ落ちた。
崩れ落ちたのは8階以上の部分。高層階に大きな力が働いたことがうかがわれる。

この100年で、首都圏では建物の耐震化などが進む一方、こうした高層建築が急速に増え、都心部では高さ60メートルを超える超高層ビルや、タワーマンションが所狭しと建ち並ぶようになった。
今後30年で70%の確率で起きると言われる首都直下地震では、この高層ビルの被害、 なかでも、超高層ビルが高層階で大きくゆっくり揺れる「長周期地震動」の被害が特に懸念されている。
仮に今関東大震災と同じ地震が来た場合に、高層階はどの程度揺れるのか?
大手建設会社による再現実験を、FNNの防災担当記者が体験取材した。
長い縦揺れ…長周期地震動
記者が向かったのは、東京・江東区にある清水建設技術研究所。

今回、最新の地震動シミュレーションと、大振幅振動台「E-Spider」により、100年前の関東大震災の揺れを再現したという。その上で「関東大震災を引き起こした地震に超高層ビルで遭遇したら?」という設定で、体験取材が実施された。
震度は6弱。最初に「地上で地震に遭遇する」という設定で体験してみる。地上の場合は、突き上げるような激しい揺れで建物内部の棚などが倒れた。

一方、「35階相当の高層オフィスで遭遇する」という設定では、地上と違い、やや遅れてくる強い横揺れが長く続き、椅子などが大きく動いた。記者は、危険防止のため、柵をつかんで揺れを体験したが、長時間横に強く揺さぶられ、立っているのがやっとだった。
首都圏の災害では、高層ビルのエレベーター停止などのリスクがあるほか、人口密度がより高まったことにより、多くの人が同じ場所に避難することによる群集事故のリスクも高くなっている。
正確な情報を元にどう避難するのか、事前の備えが問われている。
3日(日)放送予定の「イット!×わ・す・れ・な・い特別編 関東大震災100年の真実」では、100年前にもあったフェイクや災害時のデマ、流言について追跡取材する。
「イット!×わ・す・れ・な・い特別編 関東大震災100年の真実」
3日(日)午後4時 ※変更の場合あり