“忍者グマ”として恐れられ、NHKスペシャルまで制作されたヒグマ「OSO18」。8月18日に「実は駆除されていた」という意外な結末を迎えたが、その「OSO18」のお肉が、なんとネット通販で購入可能となっているのだ。気になる「お味」やおすすめの調理方法について、業者に聞いてみた。

酪農家らが恐れたOSO18とは

北海道標茶町周辺で2019年から牛66頭を襲ってきたヒグマ「OSO18」。非常に用心深い特性をもち、ハンターたちの追跡を4年にわたり逃れてきたことから「忍者グマ」との異名も持つ。

2019年から牛66頭を襲ってきたヒグマ「OSO18」。警戒心が強く「忍者グマ」と呼ばれた
2019年から牛66頭を襲ってきたヒグマ「OSO18」。警戒心が強く「忍者グマ」と呼ばれた
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OSO18が、「実は捕獲されていた」という衝撃的な情報がもたらされたのが8月22日。実は、7月30日に釧路町でハンターに捕獲されたヒグマのDNAを鑑定した結果、OSO18のDNAと一致したというのだ。駆除されたOSO18の体長は2m10cm。前足の幅が20cm。推定体重は330kg。痩せていて、手足に皮膚病を患っていたという。

OSO18を家庭で食べられる?

駆除後の写真。体長は2m10cm、前足の幅が20cm、推定体重は330kg。痩せていて手足に皮膚病を患っていたという
駆除後の写真。体長は2m10cm、前足の幅が20cm、推定体重は330kg。痩せていて手足に皮膚病を患っていたという

この「OSO18」の肉、実はインターネッのトサイトで販売されている。販売しているのは、ジビエや海産物など北海道の食材を扱う「釧路丹頂商店」だ。担当者によると、普段からシカやクマなどの肉を仕入れているが、8月上旬に仕入れたクマ肉が、後になって「実はOSO18だった」事が分かったという。

もも肉は1kgで8000円(税込)。真空パックで冷凍した状態で販売
もも肉は1kgで8000円(税込)。真空パックで冷凍した状態で販売

釧路丹頂商店では「OSO18」の肉の大半、6~7割を仕入れていた。もも肉、ロース肉、あばら肉(骨なし)、すね肉、肩肉、前後の足などの部位を販売している。価格は、もも肉が1kgで8000円(税込)、ロース肉が800gで7600円 (税込)、あばら肉が900gで4680円(税込)となっている。OSO18だからといって特別なプレミア価格は設定せず、他のクマ肉と同じ価格帯にしているということだ。

肉は真空パックで冷凍した状態で販売されている。飲食店などからは「OSO18」の肉を購入したいとの問い合わせもあるという。

一般の人向けの肉は足以外売り切れに。写真は左前足(900gで2万円、送料別)
一般の人向けの肉は足以外売り切れに。写真は左前足(900gで2万円、送料別)

ただ、飲食店向けの在庫はまだあるが、一般の人向けの肉は足以外売り切れとなったそうだ。残り少ないOSO18の足の肉は、ネット通販で購入可能だ。(25日午前10時時点)

クマの肉ってどんな味?

ロース肉やあばら肉が食べやすく、ステーキや煮込み料理などにされることが多いそう。写真はあばら肉(骨なし)
ロース肉やあばら肉が食べやすく、ステーキや煮込み料理などにされることが多いそう。写真はあばら肉(骨なし)

釧路丹頂商店の担当者によると、野性味と濃い旨味がクマ肉の特徴。この時期の肉は「秋から冬に仕入れる肉に比べ、少し脂が少ないかもしれない」という。おすすめの部位は、食べやすいロース肉やあばら肉で、ステーキや煮込み料理などにされることが多いということだ。

もし興味があれば、量に限りがあるので早めに購入するのが良いだろう。

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。