島根・松江市の小学校で、1993年に埋められた「タイムカプセル」が掘り起こされた。今ではすっかり大人になった卒業生たちが、30年前の自分やクラスメートと再会。子どものような笑顔になって、当時を懐かしんだ。

30年後の自分へメッセージ

松江市の雑賀小学校で大勢の卒業生らが見守るなか、掘り起こされているのは「タイムカプセル」。30年前の1993年、開校120周年を記念して、当時の全校児童約380人が埋めたものだ。

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8月12日、「タイムカプセル」を開封する日がやってきた。30年がたち、40歳前後になった当時の在校生約80人が、その瞬間を見届けようと集まった。土の中から姿を見せたタイムカプセル。汗だくになってスコップでさらに土をかき分けること、約20分。プラスチック製の「タイムカプセル」が掘り出された。

しかし、喜びの声が上がったのもつかの間、トラブルが見つかった。「タイムカプセル」に穴が開いていたのだ。「水が出てるな。まじかよ」「どうなってるかな」「水浸しになってる」と集まった卒業生たちは案じた。

「タイムカプセル」は、穴から浸水し、納められた思い出の品々は水浸しになってしまっていた。それでも、ダメージが少ないものを取り出してみると、6年生の思い出、手形と習字だった。当時の夢や30年後の自分に向けしたためたメッセージも添えられている。

当時6年生の女性:
日本の中でも有名な獣医になりたいと書いてありました。

――今、有名な獣医ですか?

当時6年生の女性:
いえ、まったく違います。

当時6年生の男性:
プロ野球選手になりたいと書いてありました。プロ野球選手、なれませんでした。

日記を朗読する音声も

1年生の思い出の品「カセットテープ」も出てきた。

カセットテープの音声:
稚児行列に出ました。それで、稚児行列に行く前に、売豆紀(めづき)神社のお店に行ってくじをしたり…。

カセットテープには、日記を朗読する声が収録されていた。懐かしい声が当時の記憶を呼び起こし、思い出話に花が咲いた。

当時1年生の女性:
自分の声を聴いて恥ずかしかったです。全然覚えてなかったので、来てよかったです。

タイムカプセル実行委員会の卒業生代表:
みんな、おじさん、おばさんになっているんですけど、音声とか、子どものすごくかわいらしい声で聞くと、やっぱり30年前の記憶がよみがえって、懐かしくて、みんな喜んでくれてよかったと思います。

子どものころに戻ったように、笑顔があふれる卒業生たち。30年ぶりに開封された「タイムカプセル」には、かけがえのない「思い出」も詰まっていたようだ。

(TSKさんいん中央テレビ)

TSKさんいん中央テレビ
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