日本各地で、連日続く猛暑。
7月24~30日のデータでは、全国の熱中症による搬送者が1万1000人を超える中、ある最新の研究結果が注目されています。
その研究結果とは、「熱中症になると白内障のリスクが4倍になる」ということ。
金沢医科大学・眼科学講座の佐々木洋主任教授の詳しく伺いました。
金沢医科大学・眼科学講座 佐々木洋 主任教授:
熱中症になった人たちは、熱中症になっていない人たちに比べて、5年後の白内障の発症率が大体4倍ぐらいに高くなることが分かりました。
白内障とは、目の中のレンズの役割をしている水晶体が濁る病気で、症状が進行すると、最悪、失明することもあります。
白内障の主な原因は加齢によるものと言われていますが、熱中症にかかることによって発症のリスクが高くなるというのです。
佐々木主任教授らの研究チームは約260万人の診察データから、熱中症にかかったあと、5年後に白内障を発症した割合を調査。すると、熱中症にかかったことがない人に比べ、発症する確率が4倍近く高かったといいます。
年齢別でみると、20代からリスクが上昇し始め、60代では5倍近くになっています。
佐々木主任教授によると、熱中症にかかることにより体温が上昇し眼球の温度が上がることなどが要因として考えられるといいます。
金沢医科大学・眼科学講座 佐々木洋主任教授:
水晶体ってクリスタリンといって、タンパクでできているんですけども、タンパクが変性して最初はかたくなる。そのあと濁ってくる。元に戻らないんですよ。生卵はゆで卵になったら元の生卵に戻らないでしょ。それと同じこと。
では、対策はどうすればいいのでしょうか。
金沢医科大学・眼科学講座 佐々木洋主任教授:
体温を下げることが一番大事だと思うので、眼球の温度も下がるのでいいと思いますし、もう一つは、直接眼球の部分を冷やすのも効果があると思います。
(めざまし8 8月4日放送)