山形・鶴岡市加茂地区の風力発電計画について、7月27日夜、市は意見交換会を開き、事業者に中止を申し入れた経緯を住民に説明した。

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しかし、住民からは市の進め方について「異論」が噴出した。

進め方に「異を唱える」声噴出

鶴岡市加茂地区の風力発電計画をめぐっては、市が2023年2月、予定地はガイドラインで定める「制限区域」にあたるとして、事業者のJRE=ジャパン・リニューアブル・エナジー社に対し中止を申し入れている。

これについて、市は27日夜、中止を求めた経緯について加茂地区の地域住民と意見交換会を開いた。出席した住民の一部からは、生活への影響を考え、市の中止要請に「賛同」する意見も出たが、ほとんどが「反対」や、中止を求めるまでの進め方に「異を唱える」声だった。

住民:
できれば風車が建ってほしいと思っている。

住民:
地元住民に何の説明も意見も聞くこともなく決定し、一方的に中止の説明をされることは「独裁」とも言える決定のようにも思う。

地域の未来と環境を考える会・伊藤薫会長:
風力発電事業の中止申し入れの「撤回」と、JRE社の調査継続の承認を、本日ここで行っていただきたい。

「国際的な非難の対象にもなる」

これに対し、鶴岡市の皆川治市長は「JRE社の環境影響評価を翌月に控え、中止の申し入れを急ぐ必要があった」とし、「直前には自治会長などに連絡した」と説明した。

また、建設計画はラムサール条約登録湿地の「大山上池」から1.5km~3.5kmの圏内にあたるとしたうえで、次のように述べた。

鶴岡市・皆川治市長:
ラムサール条約の登録湿地で5km圏内に大規模な風車が建った例は国内ではない。これを推進していくと国際的な非難の対象にもなる。

意見交換会は予定の1時間半を超え、2時間以上行われた。会を終えた皆川市長は…。

鶴岡市・皆川治市長:
改めて、風力発電を進めていくということは加茂地区にとってもマイナスと考えている。

Q.今後も中止要請撤回はありえない?

鶴岡市・皆川治市長:
中止撤回はない。

市は8月8日と10日に関係する上郷地区・大山地区の住民を対象に、同様の「意見交換会」を開く予定。市によると、中止の申し入れに対し、JRE社側からはいまだ正式な回答はないものの、市長への面会を求めているという。

(さくらんぼテレビ)

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