フードロス削減の取り組みは全国に広がっているが、広島県福山市では、高校生が授業で栽培しているブドウの廃棄分を使ったレトルトカレーがお目見えした。

シャインマスカットやピオーネの廃棄分を利用

生徒:
沼南高校で作られたブドウを使用しています。いかがですか?

広島県立沼南高校の生徒
広島県立沼南高校の生徒
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藤原宇裕記者:
生徒たちが頑張って売っているレトルトカレー。実は廃棄されるブドウが使われているんです

この日、福山市のスーパーで沼南高校の生徒たちが行ったのは「レトルトカレー」の販売会。
高校生たちと、食品ロス削減を手掛ける東京の会社「モッタイナイ バトン」が共同で開発した特別なカレーだ。

ブドウの産地として知られる福山市沼隈町。

映像提供:沼南高校
映像提供:沼南高校

沼南高校では授業の一環としてシャインマスカットやピオーネなどのブドウを栽培している。

生徒:
僕たちはここでブドウを育てています。実はこのブドウは捨てられるブドウです。ですが僕たちはこのブドウを何とか有効活用できないかと色んな策を考えています。僕たちのSDGs活動にご期待ください

栽培の過程で廃棄される規格外のブドウは年間50キロ以上。
なんとか有効活用できないかと模索していたところ、2022年8月、「モッタイナイ バトン」から「レトルトカレーに活用してはどうか?」との提案を受けた。

ブドウの酸味をカレーに活かす

このプロジェクトには、畜産や加工・販売を手掛ける福山市の「中山牧場」も牛すじの提供で協力し、2022年12月から試作を重ね、6月にブドウの酸味を活かしたカレーが完成し、商品化が実現。

5食購入した人:
噂で、ぶどうカレーを開発していると聞いていて、絶対に買いに来ようと思って、仕事の合間をぬって来ました

3食購入した人:
3人分買いました、暑い季節だからカレーがちょうどいい

この日は、予測を3倍も上回る144食を販売。

広島県立沼南高校2年・梶原唯月さん:
皮や種も入っていて丸ごと食べることができます。

梶原さん:
ブドウが好きな方にも食べてほしいし、ちょっとでもフードロスに貢献したいなと思っている方にも食べていただきたいです

「沼南高校ぶどうカレー」は、ひとつ710円。
今後、製造する数を増やすことで価格を下げることができるという。

ロス食材でカレーをつくる モッタイナイ バトン 辻更紗さん:
今回1000食を作った。少ないロッドで作ると製造費が上がってしまう。紙のパッケージは100円かかっていて、中を開くと製品のストーリーが見えるなどこだわったつくりになっている。これからたくさん作っていけるようになれば、どんどんコストは削減できる

高校生らの「もったいない」の思いを商品化した「ぶどうカレー」。
8月下旬から沼南高校で開かれる産直市でも販売される。

(テレビ新広島)

テレビ新広島
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