サウナ愛好家、いわゆる“サウナー”の間で「空白地」とされている島根・松江市に、7月3日、新しいサウナ施設がオープンした。松江に根付く伝統文化と融合を図った、これまでにないしつらえに、地元サウナーも「熱い」視線を送っている。

「サウナ空白地」松江市に待望のサウナ施設が誕生

5年ほど前から全国的なブームが訪れているサウナ。

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山陰でも新しい施設が次々オープンし、TSKさんいん中央テレビでもここ3年で7カ所を取材してきたが、このブームにいまひとつ乗り切れていないのが、松江市だ。とりわけ、市の中心部が取り残されたかたち。

全国約1万の施設を網羅したサウナ検索サイトによると、合併前の旧松江市にあるのはわずかに1つ。サウナーにとっては、寂しい状況だった。

今回もTSKさんいん中央テレビの“サウナー”福村翔平記者が取材に行ってきました
今回もTSKさんいん中央テレビの“サウナー”福村翔平記者が取材に行ってきました

TSKさんいん中央テレビ・福村翔平記者:
私のようなサウナーから「サウナ空白地」と呼ばれるここ松江に、新たなサウナ施設ができました。どんな施設なのか体験したいと思います

7月3日にオープンした「FUMAI SAUNA」は、中心商店街や繁華街のすぐ近く、松江市中心部にできた待望のサウナ施設だ。

早速、中に入ると、サウナーの福村記者も「すごい。和の空間が広がっています。結構、奥行きがあります。広い」と声を上げた。

完全個室型・事前予約制のプライベートサウナで、5つの部屋が用意されている。

「FUMAI SAUNA」オーナー・山田亮介さん:
自分もサウナに入るのですが、なかなか近くになくて、近くにあったらいいなと思って作った

施設を作った山田さんは松江市内で飲食店を営んでいるが、サウナ好きが高じて、構想2年、国の補助金を活用し、理想のサウナを作ってしまった。

「FUMAI SAUNA」オーナー・山田亮介さん:
自分の思いとともに、金額もかかって、人生もかかっています。人生かかったサウナです

一般的なサウナとは違い“低温サウナ”は30分入ってシャワー

「人生をかけたサウナ」とは一体…?

TSKさんいん中央テレビ・福村翔平記者:
部屋を開けるとすごい。これがサウナですね。木のいい匂いがします

“サウナー”記者、もちろん体験します。

“低温サウナ”には30分ほどじっくりと入る
“低温サウナ”には30分ほどじっくりと入る

TSKさんいん中央テレビ・福村翔平記者:
失礼します。いい感じの温度です

病院などで使われる医療用のサウナで、温度は最高65度と低温だが、しばらくすると…

15分ほどすると汗が出てくる
15分ほどすると汗が出てくる

TSKさんいん中央テレビ・福村翔平記者:
15分くらいたちました。じわーっと汗をかいてきました。不快な汗ではなく、気持ちの良い汗です

背中にも大粒の汗が出てきた。

一般的なサウナでは10分程度入って、そのあとの水風呂との温度差で爽快感を得るが、低温サウナは30分ほど入ったあと、シャワーで汗を流すことで血行を促され、自律神経を整うなどの効果があると言われている。

松江ならではの“お茶の文化”を融合

さらに、このサウナ、これまでになかったスタイルを取り入れていた。

「FUMAI SAUNA」オーナー・山田亮介さん:
松江には“お茶の文化”があるので、松江のあり方とともに、サウナも一緒に打ち出せていけたら、観光客や海外のお客さんにも体験していただけるのかなと考えた

松江の大名茶人・松平不昧の名を冠した名前の通り、茶の湯文化とサウナが融合。これまでにない「ハイブリッド」サウナだ。

「にじり口」のような小さな扉を開けると2畳の休憩スペースがあり、茶室のような空間で「ととのう」ことができる。さらに、お茶をたてるセットも用意されている。

料金は近隣の施設と比べて高めの設定だが、ここにしかない特別なサウナとして、月に500人の利用を想定している。

「FUMAI SAUNA」オーナー・山田亮介さん:
うちが“ハブ”となるわけではないが、サウナがひとつのきっかけとなって、近くの飲食店や観光地が一緒ににぎわうといい

“サウナ空白地”に誕生した、待望の新施設。
松江ならではのしつらえで人を呼び込み、「熱い」スポットになるのか、“サウナー”のみならず注目している。

(TSKさんいん中央テレビ)

TSKさんいん中央テレビ
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