熊本県は、一部の県営住宅でペットの飼育を可能にする取り組みを3月から試験的に始めた。都道府県営住宅としては全国でも珍しいこの取り組み、熊本県や地元自治会にそれぞれの狙いを聞いた。

アレルギーやトラブル防止で原則禁止

3月2日からペットの飼育が可能になったのは、熊本市西区島崎にある県営小山田団地。全19棟202戸のうち、3棟24戸が対象で、熊本県によると、ペットの飼育が可能な都道府県営住宅は全国的に珍しいという。

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県営住宅などいわゆる公営住宅では、動物アレルギーの人への配慮や、鳴き声や臭いなど近隣トラブルになる恐れがあることから、原則ペットの飼育が禁止されている。

小山田団地自治会長の惠濃政明さんは「このままいくと全戸202戸あるが「(入居が)100戸を切るぞ」と。100戸切ったら大変なことになると。思いついたのが『ペット共生住宅』。入居者促進の一環になればいい」と話す。

小山田団地の2024年度末の入居率は61.9パーセント。県内の県営団地の平均入居率である78.9パーセントを大きく下回っている。

入居率が低いと共益費が十分に集まらず、惠濃さんは「共用部分の電気代や水道代の支払いだけで精いっぱい」だと話す。節約のため、昔は業者に頼んでいた団地内の草刈りも今は自治会で行っているが、大規模な団地のため、行き届かないのが現状だ。

自治会の要望書受け熊本県が検討

惠濃さんは「元々(ペット飼育は)禁止事項になっているので、「ただ(県に)言ったのではどうにもならない」と思い、まず団地内でアンケートを取り、(賛成が)80パーセントに近い数字で、早くやらねばと要望書を出した」と振り返る。

2月13日の定例会見で木村知事は「自治会からの要望を受け、ルールや説明を重ねてきた。熊本県の県営住宅で初めての取り組みだが、命を大切にし、優しさあふれる人と動物が共生する熊本の実現へ一歩、踏み出した」と話す。

熊本県では、県営小山田団地で入居者に『動物アレルギーがある人がいない』ことや『今後、動物を飼いたい人がいる』ことを確認。このうち全員の合意が取れた3棟24戸を対象に選んだという。

「苦情やトラブルいっぱい出ると思う」

熊本県住宅課の久保園一誠審議員は「(試行の)検証することが大事で、検証の結果、対策でクリアできれば、今後、普通の住宅に近い県営住宅をもっと広げたい」と話す。

また、惠濃さんも「苦情やトラブルなどいっぱい出ると思う。課題として、みんなで力を合わせるしかない。熊本の県営団地で初めての試みだから、他の所にも影響する可能性があるので、みんなで一緒に考えている」と、課題に対して向き合っていく考えだ。

入居申し込みは熊本県営住宅管理センターで受け付けているが、既に多くの問い合わせが来ていて、入居は先着順だという。

(テレビ熊本)

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