通勤や通学、買い物客などで多くの人が行き交うJR宮崎駅。しかし、宮崎の顔とも言えるこの場所で今、治安の悪化が問題となっている。治安の悪化が問題視されている宮崎駅周辺で、警察の夜間パトロールに密着した。
住民も危惧する“治安の悪化”
人気店舗が集まり、人通りの多い宮崎駅周辺で今、少年たちの迷惑行為や犯罪などの通報が相次いでいる。

6月7日、宮崎駅周辺で現金を奪った恐喝の疑いで少年3人が逮捕された。逮捕されたのは、日向市に住む16歳の少年と宮崎市に住む15歳の少年、都農町に住む15歳の少年の合わせて3人。

少年3人は6月5日、宮崎駅東口近くの路上で、面識のない10代の男性2人に対し「とりあえず財布の中見せて」「態度が気に食わん」などと脅し、現金合わせて1万1,000円を奪った恐喝の疑いが持たれている。警察で事件の詳しい経緯を調べている。

近所の女性:
ちょっと怖いなと思う時もあるので、あまり夕方とかは外出しないようにしています

男性:
駅前でたむろしてたりとか、かつあげに近いことをしていたりとか

女性:
お話するだけなら、お友達の家でもお店の中でも、普通にどこかで座ったらいいんじゃないと思いますけど…

JR宮崎駅周辺では2022年、少年の補導が約100件あり、若い世代の迷惑行為などについての通報が急増している。こうした状況を受け、警察は2023年3月から駅周辺の見回りを強化。毎日午後5時から夜11時まで東口のロータリーにパトカーを止め、警察官がパトロールを行っている。
警察のパトロールに密着
6月3日の午後7時ごろ、パトロールの様子を取材していると…。

警察:
こんばんは
少年:
話しかけんでよ

警察:
何でね
少年:
俺病んじょっちゃわ
警察:
ここ邪魔になるからさ、ここは出入り口になるからね
次の日、駅南側の駐輪場では…。

警察:
ここ駐輪場の入り口になるから入れなくなるよ

少年:
みんな帰るよ
警察:
移動して移動して

宮崎駅前交番・福田覚警部補:
少年がたまってて道路に地べたに座って人の通行を邪魔したり、ゴミをポイ捨てして逃げて帰る現状がよく見られます。通報が多くなった現状はありますね
盗難からエスカレート…警察も危機感
こうした中で、窃盗や傷害、恐喝といった犯罪につながるケースもある。

テレビ宮崎・藤﨑祐貴アナウンサー:
これは今どんな作業をされてるんですか?
警察官:
データベースで警察本部とつながっている端末があるんですけど、防犯登録があって、これを照会すると盗難車かどうかが分かるということをやっています

テレビ宮崎・藤﨑祐貴アナウンサー:
実際、自転車盗難は増えていますか?
警察官:
増えてますね

2022年の1年間に宮崎北警察署管内で確認された自転車の盗難は511件で、前の年と比べ約150件増加。このうち2割は宮崎駅周辺で発生した。検挙された人の中には14歳から19歳の少年が多かったという。

テレビ宮崎・藤﨑祐貴アナウンサー:
盗難被害の多いこちらの駐輪場では、管理をしている市の職員が注意を呼びかける張り紙を掲示しています

宮崎市地域安全課・三樹雅弘課長:
警察の方と協議して張る場所や色合いなどを一緒に考えました。自転車盗難が少なくなって、健全な駐輪場になっていくことをこれから期待したいと思います

警察では、安易に手を染めやすい自転車盗難などを繰り返すうちに犯罪への抵抗が無くなり、凶悪犯罪へ結びつくことを危惧している。
声を聴き、解決策を一緒に探る
一方、パトロールする警察官に話を聞くと、こんな声も…。

宮崎駅前交番・福田覚警部補:
居場所がないというのを子どもたちから聞くこともあります。学校に行きたくない、家にいたくない…まず声をかけて今の子どもたちの考えを素直に聞きます。警察だけじゃできないので学校とか市役所と連携しながらやるのが一番いいと思っています
取材を通して、たむろしている少年たちが警察やメディアにも慣れてしまい、問題意識をまったく持っていない現状が浮かび上がった。たむろしている人たちがなぜ夜間に集まっているのか、なぜ犯罪行為に手を染めてしまうのか。しっかりとその声を聴いたうえで、解決策を探していくことが解決の糸口になりそうだ。
(テレビ宮崎)