卵は値上がりが続いていたが、6月最終週に入り値下がりした。「物価の優等生」の今後の見通しについて、生産者に聞いた。

5カ月ぶりの「値下げ」…暑さで需要が低下傾向

名古屋市中区のスーパー「サノヤ」。

生鮮食品館サノヤの営業部長:
今週火曜から1パックあたり10円下げました

安さを売りにしているサノヤでは、6月30日の卵の価格は税抜きで1パック258円だった。5カ月ぶりの「値下げ」だという。

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営業部長:
仕入価格がパック当たり6円下がったので、店頭価格は10円下げた

卵は店にとって客を呼び寄せる目玉商品。価格の値下がりに安堵の表情を見せた。

営業部長:
卵は安いと嬉しいと思うし、よく使うので卵だけは安くしたい

名古屋地区の卵の卸値は2023年1月から上昇を続け、3カ月ほど横ばいが続いていたが、6月最終週についに値下がりした。1キロあたり350円と、前の週に比べて10円安くなっている。

業界関係者によると、鳥インフルエンザからの回復がみられることに加え、暑くなり卵の需要が下がってきたことなどが要因だという。

客A:
今日はちょっと安いなと思って見てたの

客B:
年金生活者からしたら高いね

客C:
200円以下だと嬉しい。もうちょっと安くならんかなと

9割輸入のエサ代、電気料金の値上げ…「以前の価格に戻るのは難しい」

大府市の花井養鶏場は、1日に8万個の卵を生産し、その半分ほどをスーパーなどに卸している。

社長の花井さんは、今後も値下がりが続くという楽観的な予測はできないという。

花井千治社長:
これが飼料で、黄色いのがトウモロコシ。海外頼り、自然頼り、ウクライナ情勢もあり、ちょっと下がる要素が見当たらない

鶏のエサはトウモロコシや大豆など、その9割以上を輸入に頼っているが、世界的に穀物需要が増加。さらにこの2年半の間にウクライナ侵攻や円安もあり、1トン4万5千円だったエサ代が8万円にまで上がった。

花井千治社長:
(卵の値段)今週下げたのは、需要が暑さで卵を食べなくなったと。毎年の傾向として下がるものですから。電気代・パック代・段ボール代、生産コストが目まぐるしく上がってきてしまった

値上がりした電気代などのランニングコストが下がる見込みはなく、以前ほどの価格には戻るのは難しいという。

花井千治社長:
1パック100円そこそこの値段はもう過去の話。300円前後の値段がこれからしばらく続くと認識していただきたいと思っております

(東海テレビ)

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