児童2人の勇気ある行動が、ある男性の命を救った。5月、昼休憩の時間に校庭にいた2人は、熱中症で路上に倒れたお年寄りを発見。人命救助に貢献したとして6月26日、福山市教育委員会から表彰状が贈られた。
高齢の男性が倒れた瞬間を目撃
福山市神辺町にある福山市立中条小学校。

6月26日、福山学校元気大賞「あなたが素晴らしい」部門で表彰されたのは6年生の松岡愛雅(まつおか あいが)くんと杉野奏人(すぎの かなと)くん、そして教職員など5人。


5月16日午後1時20分ごろの昼休憩の時間に起こった出来事を再現してもらった。
その時、松岡くんと杉野くんは校庭でサッカーをしていた。

2人は、学校の前の路上をシルバーカーを押して歩いていた高齢の男性が倒れた瞬間を、偶然目撃。

松岡愛雅くん:
おれ、先生呼びに行くけん、奏人はおじいさんを助けに行って!

杉野奏人くん:
OK、おれ行くわ!

「命の危険」感じ、素早い判断と行動
杉野くんはすぐさま男性の元に駆けつけた。
杉野奏人くん:
何がありましたか?おじいさん、大丈夫ですか?

杉野くんは、必死で男性に声をかけ続けた。一方、職員室へ先生を呼びに行った松岡くん。

松岡愛雅くん:
先生、あそこ、おじいさんが倒れている!行ってあげて!

赤司龍弥先生:
わかった!
80代男性は熱中症で救急搬送
転倒したのは近くに住む80代の男性で、ケガはない様子だったが、その場から動けなくなっていた。

その後、教職員が車で自宅へ送ったあと男性は熱中症であることがわかり、救急車で市内の病院へ搬送された。男性は命に別条はなく、その後、無事退院したということだ。
命の危険があった男性のために児童と先生がとった連携プレーが「素晴らしい」として、松岡くん、杉野くん、そして教職員など5人に福山市教育委員会から表彰状が贈られた。

松岡愛雅くん:
人の命は大切だからです。困っている人がいたら、今回のおじいさんみたいに素早く行動に移そうと思います

杉野奏人くん:
命の危険があると感じたのですぐ行動できました。助けに行って良かったなと思います

熱中症で亡くなる高齢者が後を絶たない中、12歳の子どもが自分で考え行動した結果の“人命救助”。表彰された教職員はもちろんのこと、中条小学校の児童や関係者、地域住民までもが誇らしい気持ちになれる出来事だ。
(テレビ新広島)