今、宮崎県内で大量発生しているという「キオビエダシャク」。ガの一種なのだが、庭の木を枯らすなどの被害も出ており、住民を悩ませている。専門家に対処法などを聞いた。
宮崎県内に大量のキオビエダシャク
キオビエダシャクが大量発生している様子を探そうと、会社の外に出た児玉泰一郎アナウンサー。早速キオビエダシャクを見つけたようだ。
この記事の画像(10枚)児玉泰一郎アナウンサー:
あそこいますよね、外壁に。あそこにも結構いますね。コンクリートの壁に2匹とまっています
さらに都城市でも…。
長谷川晋太郎記者:
こちらの木にも大量に発生していますね
木陰で羽を休めたり花の蜜を吸ったりする、大量のキオビエダシャクが見つかった。
毒がある「イヌマキ」に…
昆虫の生態に詳しい南九州大学の新谷教授に話を聞いた。
南九州大学 環境園芸学部・新谷喜紀教授:
急にど~んと増えてたくさん現れるのがまさに今6月中旬から7月上旬。例年の6月・7月と比べても、2022年と2023年は特別多い感じがする。市街地であれ、街はずれであれ「イヌマキ」さえあれば発生する
キオビエダシャクによって被害を受けるのが、生け垣として人気の「イヌマキ」だ。
児玉泰一郎アナウンサー:
こちらの住宅、左側のイヌマキは青々と茂っているんですが、右側は葉がありません。枯れてしまっています
2022年、住宅のイヌマキを撮影した写真にはキオビエダシャクの幼虫の姿が。大量発生し、イヌマキの葉が食べつくされてしまった。
ただイヌマキには、イヌマキラクトンという毒があり、本来、害虫はつきにくいのだが…。
南九州大学 環境園芸学部・新谷喜紀教授:
キオビエダシャクは解毒して葉っぱを食べることができる
発生ピークは年4回
さらに、新谷教授はキオビエダシャクが増える理由をこう推測する。
南九州大学 環境園芸学部・新谷喜紀教授:
これくらいの大きな虫であれば、鳥だとか、ある程度捕食者が普通はいるけど、実際毒を持っているというのはあるんですけど、鳥などの捕食者もいないので増え放題
新谷教授によると、餌となるイヌマキは毒があるため他の虫が食べない。そのためキオビエダシャクにとっては餌がある状態になっているという。さらにその毒を自分のものにして、ほかの動物に食べられないように身を守り増えていっているのでは、と話していた。
キオビエダシャクには年に4回、発生するピークがある。4月、6月、8月、10月だ。次のピークは8月だが、成虫を駆除するというよりも、いま成虫が飛んでいるところの近くにあるイヌマキに卵を産みつけている可能性があるので、そこに農薬など薬剤散布をすることで幼虫を防ぐ効果があるという。
(テレビ宮崎)