ロシアの民間軍事会社ワグネルは、国内の軍事施設を占拠するなど武装反乱を起こした。およそ13時間後には後撤退を表明し、部隊は駐屯地に引き返したが、プーチン政権に衝撃を与えることになった。
ワグネルのトップ、プリゴジン氏は今回の反乱について、「ロシア国防省はワグネルを解体しようとしていた。だから正義の行進を始めた」と述べた。特に、ロシア国防省内の汚職を止めらないばかりか、ワグネルに弾薬を届けず、兵士の命をないがしろにしたショイグ国防相やゲラシモフ参謀総長に対する反感は強く、「軍事指導部の悪事を止めなければならない」と打って出た。
ただ、本音は“自身の存在感のアピール”だったとみられる。「いつでもモスクワに行けるぞ」と見せつけることで、自身がロシア軍の脅威になり得ることをたたきつけたかったとみられる。実際、ロシア大統領府には「パニックになった」と話す職員もいたという。
目のかたきにしたショイグ国防相の更迭もささやかれる中、プリゴジン氏が「このままおとなしくしているとは思えない」との見方もあり、その動向が、プーチン大統領のお株を奪う注目度になっている。