国内外の宿泊施設などの庭を手掛ける男性が、秋田・北秋田市で自然を楽しむ庭園「森のテラス」を運営している。男性にとってこの庭園は、これまでの仕事の集大成。ふるさと秋田で庭づくりに励む姿と、その理由に迫った。

「自分の生き方表現するものを」

北秋田市桂瀬にある「森のテラス」のテーマは里山だ。楢岱山の東側の斜面と麓に広がる田んぼや畑など、敷地の広さは約26ヘクタールで、誰でも自由に見学できる。

森のテラスを運営する作庭家・山田茂雄さん
森のテラスを運営する作庭家・山田茂雄さん
この記事の画像(12枚)

鐘を鳴らし、「われわれ入るよ、とクマさんに連絡します」と話すのは、「森のテラス」を立ち上げた北秋田市出身の作庭家・山田茂雄さんだ。山田さんはこれまで、国内外の宿泊施設やレストランなどの庭園を手掛けてきた。

庭園を立ち上げた理由語る
庭園を立ち上げた理由語る

作庭家・山田茂雄さん:
造園やっているから、生態系というか、環境のひとつの形をきちんと作りたいというのがもとにあった。(仕事では)どうしても自己表現には至らない。人からお金をもらって『こういう庭を作ってください』と言われるから。自分の生き方みたいなのを表現するものを作りたいと思った

「自然」と「人工」融合する森のテラス
「自然」と「人工」融合する森のテラス

森のテラスには、28のテラスとデッキの小道があり、色鮮やかな季節の花や木々の緑の中を散策することができる。バラやダリアなどの園芸植物に加え、自然に生える雑草も見どころのひとつで植物の数は750種類に上る。

750種類もの植物が生息
750種類もの植物が生息

作庭家・山田茂雄さん:
(バラは)すごく香りがいいが、コガネムシが中に入ってしまう、消毒しないから。こいつが悪さをする。朝来て(虫を)取らなきゃならないけど(忙しくて)やっていられない

里山彩る「ほたるの観賞会」

「自然」と「人工」が融合する「森のテラス」の中で、ひときわ目を引くのが「ほたる堂」。自然の中にたたずむ、白を基調とした庭園だ。

白を基調としつくられた庭園「ほたる堂」
白を基調としつくられた庭園「ほたる堂」

作庭家・山田茂雄さん:
大きな石を使ったり、刈り込みしてあるサツキを植えたりということではなくて、昔と違って今はむしろ、こういうのは共感できるけど、あまり個性的にやっちゃうと品がなくなる

「ほたる堂」を中心とした森のテラスの夏の風物詩が「ほたるの観賞会」だ。

(C)若林勇人
(C)若林勇人

作庭家・山田茂雄さん:
水は基本じゃないですか、環境の。それをみんなで感じてみようと。ましてやホタルの、人工の光じゃなくて自然の光を感じられるということは、今ないじゃないですか。みんな人工の光じゃないですか

作庭家・山田茂雄さん:
自然の光で見られるものって、月の明かりとか星の明かりとか、生き物から出る明かりというのは、なかなかまとまって見られないから

数千匹のホタルが里山を彩る「ほたるの観賞会」は、7月30日まで開かれている。

(秋田テレビ)

この記事に載せきれなかった画像を一覧でご覧いただけます。 ギャラリーページはこちら(12枚)
秋田テレビ
秋田テレビ

秋田の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。