関あじ関さばや、かぼすブリなど大分県内には全国的にも有名なブランド魚が数多くあるが、県内有数の観光地・湯布院で養殖されているのは「湯布院サーモン」。おいしさはもちろんのこと、ロシアの軍事侵攻の影響で需要を伸ばしているというご当地サーモンを取材した。
“湯布院サーモン”とは一体!?
大分市中心部の飲食店で気になるメニューを見つけた。
魚と炭と酒 はちお 店員:
湯布院サーモンのお造りです。

観光地・湯布院を冠したこの魚は朝、入荷したばかりだという。
TOS児玉直輝記者:
湯布院から産地直送ということだけあって臭みのない味わいで、すごく新鮮さが感じられます。おいしいです。
由布市湯布院町で養殖されていると聞き、現地に向かった。JR由布院駅近くの自然豊かな場所にあったのは13面の生け簀。こちらは井戸内養魚場。ここで養殖しているのが湯布院産ミヤマサーモン。
なぜ湯布院で養殖?
透き通る水の中で泳ぐのは「湯布院産ミヤマサーモン」。“湯布院サーモン”として売り出しているニジマスだ。魚のイメージがない湯布院で、なぜ養殖しているのだろうか?
井戸内サーモンファーム 浜砂慎吾社長:
透明度も非常に高いし水温も安定するし、魚の養殖に関しては非常に抜群の水。

養殖は8年ほど前にスタートした。アメリカから仕入れた卵を約4年かけて3キロほどの大きさまで成長させる。由布岳の麓で湧き出る水の温度は年間通して約18度と一定で、魚の成長も安定するという。そのため、年間50トンほどを季節に関係なく出荷できるそうだ。

軍事侵攻も影響し…需要高まる
タラバガニやサーモンなどの魚介類はロシア産やノルウェー産が流通していたが、ウクライナ侵攻により航空便がロシア上空を飛行できないといった影響で日本での価格が高騰している。
そんな中、新鮮で引き締まった身の食感と程よい甘さの脂が特長の湯布院サーモンは、料理関係者の間で評判となった。地元を含め県外の飲食店や旅館など取り扱うところが増えていて、コロナ禍の時期と比べて2倍の出荷量になっているという。

こちらの店では、刺身のほか創作料理にも使っていて人気メニューとなっている。
魚と炭と酒 はちお 安田秀生社長:
なかなか朝締めのサーモンを食べられる機会はないと思うので、いろいろな飲食店や自宅でも食べれるような機会が増えていけばいいなと思う。

大分の新たな名物に
井戸内サーモンファーム 浜砂慎吾社長:
湯布院は本当に世界中からいろんなお客様が来られていて、湯布院の名に恥じないように頑張って養殖していきたいと思う。
観光地・湯布院生まれのご当地サーモン。大分の新たな名物として期待が寄せられている。

(テレビ大分)