サッカーJ2・清水エスパルスはリーグ第20節のロアッソ熊本戦(アウエー)で、1-0と勝ち点3を手にした。リーグ戦ではここまでアウエー3連敗、直前の天皇杯2回戦ではJ3・FC岐阜に敗れていた。岐阜戦後にロッカールームでは選手ミーティングが開かれ、その後の練習でも選手同士で青空ミーティングする姿もあった。そしてその後の熊本戦は苦しみながらも勝ち点3を得ることができた。ベテラン選手、そして秋葉監督は「この成功体験を生かしたい」と語った。

吉田豊選手「強いチームになるために」

清水エスパルス・吉田豊選手
清水エスパルス・吉田豊選手
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―熊本戦、難しい試合を勝ち切れた。
清水エスパルス・吉田 豊 選手:
リーグ戦でアウエー3連敗後にしっかりと勝ち切れたのは大きかった。特に前半は、暑さや移動などもありみんなイライラしていた。ただ、ハーフタイムには鈴木義宜が中心になって、「いい言葉を掛けよう」と。だからこそ、後半は良いパスがつながり勝てたと思う。

特別指定選手の高木践(阪南大)はCBでしっかり仕事をしたと思う。プロのピッチで結果を出したのでこれから重宝されると思うし、いいこと。しっかりと自分を持っている、結果を出してうらやましいくらい。

―天皇杯の岐阜戦後の選手ミーティングの効果は。
清水エスパルス・吉田 豊 選手:
いろんな話をした。うまくいかないことがある中で、チームは組織で戦うもの。チアゴとは、「経験がある選手がチームを落ち着かせて、バラバラにならないようやっていこうよ」と話をした。意見を出し合うと、汚い言葉も飛び交いそうだが、チアゴや鈴木義宜といった選手も間に入り、チーム全体が崩れないでやれた。そうしたことが、熊本戦の後半にうまく出て、勝つことにつながったと思う。それがすべてとは言わないけど、ちょっとした話でも効果が出たと思う。

みんな言いたい放題だと、バラバラにもなるが、経験のある選手が受け止めて、聞いて、うまくプレーをあわせるなど、いろんなことができると思う。チームが勝つために、より良い方向に向かうためにやっている。チーム全体に広がっていけば、どんなに強い相手でも勝てるようになる。少しずつでもいろんな人と話をして、強いチームになるためやっていきたい。

乾貴士選手「“いま”を知る絶好の機会」

清水エスパルス・乾貴士選手
清水エスパルス・乾貴士選手

―現在の体調は、また熊本戦について感じた事は。
清水エスパルス・乾 貴士 選手:
最初はしんどかったけど、もう大丈夫。リーグ戦、天皇杯で負けるという、チームの流れが悪い中で試合に出られなかったのは申し訳ない。悔しかったけど、勝ってくれたのは良かったし、安心した。とにかく応援していた。

―18日にはルヴァン杯のグループステージ最終節の浦和レッズ戦がある。
清水エスパルス・乾 貴士 選手:
勝つしかない状況。でも勝ち負けより、浦和という良いチームに、自分たちのサッカーがどれだけ通じるか、試せるチャンス。自分たちがやりたいサッカーをできるかどうか。浦和相手にできれば、リーグ戦に自信をもって臨めると思うので、しっかり準備したい。もちろんチャレンジして勝ちにいくが、たとえ負けても、通用することがわかれば問題ない。浦和もどの程度で来るかわからないが、胸を借りる感じでやりたい。

―浦和の印象は。
清水エスパルス・乾 貴士 選手:
バランスのいいチーム。攻撃に良い選手がいっぱいいるし、守備でもしっかりできる選手がいっぱいいる。前回のような展開にはさせたくない。自分たちもボールを握るというのはやりたい。握られる時間帯もあると思うが、そこはしっかり耐えながら、自分たちもボールをしっかり動かしていくことが大事。

鈴木義宜選手「熊本戦の経験が今後に」

清水エスパルス・鈴木義宜選手
清水エスパルス・鈴木義宜選手

―浦和戦について。
清水エスパルス・鈴木 義宜 選手:
自分たちのやっているサッカーが、浦和にどれだけ通用するかという意味で非常に楽しみ。勝てば自分たちの力でグループステージ突破が決まる。そこは勝負強さであり、これから勝たないといけない試合がリーグ戦でも出てくるので、この試合で試されていることも考えると楽しみ。浦和は、守備が固い。前線に個の能力が高い選手もいるが、自分にとっては「守備が固い」イメージ。

―熊本戦での勝利は。
清水エスパルス・鈴木 義宜 選手:
熊本戦で大事なのは、苦しい中での勝ち点3が取れた経験。これからも同じような苦しい時に、「あの試合もこうだった」と思えるような経験を積めたことが大きいと思う。ただ、苦しくさせたのは、自分たちでもある。ボールを奪った後につながっていれば、ということもあったので、その質をどんな相手でも維持しなければいけない。自分は、背後への動きに合わせて狙う縦パスなど、前線には点の取れる選手がたくさんいるので、その回数を増やしていきたい。

秋葉忠宏監督「発破をかける“監督”がたくさんいる」

清水エスパルス・秋葉忠宏監督
清水エスパルス・秋葉忠宏監督

―熊本戦で勝ち点3を積み上げることができた。
清水エスパルス・秋葉 忠宏 監督:
熊本戦は今までにない勝ち方、そこが手応えだった。いつも良い時ばかりではないし、チームには悪い時もある。そうならないようにすることは大事だが、苦しい中で勝ち点3を取ることができた。そこは選手も手応えを感じているし、良い顔をしていた。ああいう成功体験は、これからの試合でピンチに陥っても、「もう一度我慢強くやっていれば、どこかで必ず」という忍耐力になる。チームは得点力を持っているので、価値の大きい手応えのある勝ち点3だと思っている。

―苦しい試合になった要因は。
清水エスパルス・秋葉 忠宏 監督:
メンバーが急に変わったとか、芝生が長かったとか、水が多すぎて足に来る感じがあったとか、コンディションは独特だった。そしてあれだけボールを失うと、苦しいゲームにはなる。でも、そこを乗り越えて、同じ方向を向いて我慢強くやって勝った。その忍耐力は、清水に足りないところだとも思っていたので、我慢強くやれたこと、この成功体験を大事にしたい。

―ルヴァン杯の浦和戦に向けて。
清水エスパルス・秋葉 忠宏 監督:
相手はベストで来ると思う。ガチンコでやれば自分たちの現在地がわかる。そこで手応えと勝利をつかめると思うと楽しみ。メンバーはベストでいくが、その時に勝つ確率のベストを選ぶということ、お楽しみに。

―現在のチームの状態は。
清水エスパルス・秋葉 忠宏 監督:
熊本戦でカルリーニョスが3本連続でシュートを放って得点し、勝ちに貢献した。チーム内での発信もしてくれるし、メンタルも強い。天皇杯の岐阜戦で、敗戦後に声を発したのは彼。彼が一番チーム内に発破をかけてくれている。「自分たちは負けている場合じゃない」「勝つこと大前提のサッカー、勝ちたくないクラブやサポーターはいない」「プロ選手であり続けたいならやらないと」と。他にも、ベテランを中心にいろんな選手が話をする。指導者としてありがたい。「もっとやれるだろ」と言える“監督”がたくさんいる(笑)。

(テレビ静岡)

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