撮影者「これは大変だ…」
6月2日、愛知県豊川市で避難所となっていた小学校で撮影された映像です。

大粒の雨が見える中、冠水した道路をゆっくりと車が走っています。
撮影者は愛知・豊川市の市議、安間ひろこさん。

愛知・豊川市 安間ひろこ市議:
ちょうど午後6時半は過ぎていたと思うんですけど、もうすでにくるぶしくらいまで水がきていたんです。すぐに水がはけるかなと思って…

当時、安間市議は市内各地の避難所で困っていることなどがないか、確認していたということですが…。
愛知・豊川市 安間ひろこ市議:
午後7時半ぐらいには帰ろうと思っていましたら、もうすごく水が来ていて。慌てて(車を)動かした方がいいかねって言われて長靴履いて行かれた方も「全然駄目でした」って戻ってこられて…。

避難所から出られない状況に陥ってしまったといいます。

“避難所で被災する”という状況に遭遇…
この日、豊川市の隣にある豊橋市の観測所では、418mmという24時間降水量を記録。これは観測史上最多で、平年の1カ月分の倍以上となります。

当時、学校の隣にある道路では複数の車が立往生していて、学校の敷地内に止めていた安間さんの車は…。
愛知・豊川市 安間ひろこ市議:
ブレーキがキーキー言ってしまっていて、(車を)見てもらわないといけません。後ろの下の床のシートがぬれていて、中に置いたハザードマップとかがびしょびしょになっていました。
車の中まで浸水し、ブレーキから異音がするようになったため、今後整備に出すとのことです。
避難所で被災するまさかの事態にならないためには?
今年は台風が多く発生するとの予想もある中、避難所に駆けつけたのに被災するというまさかの事態に遭遇しないためには、どう行動すればよいのでしょうか。

2日の午後4時過ぎ、豊川市の市民が、徒歩で避難をする過程を撮影した映像では、通りを走る車は、水しぶきを上げているものの一段高くなっている歩道は冠水していません。


およそ1時間後。歩道でも一面が冠水。撮影者のサンダルが隠れるほどの水位に。

そして、午後7時ごろには、辺り一面水で覆われる状況になっていました。
撮影者は避難所指定の小学校には避難所が開設されていないため、公民館へ移動。

小学校から公民館へと移動する間には、車のタイヤが隠れるほど冠水した道路や駐車場があります。
撮影者:
水位が股下まで来ていて、色々なものが流れてきていたので怖かったです。車のクラクションが2、3台ずっと鳴り響いていて異様な光景に不安を感じました。

不安を押し殺して、股下まで冠水した道を渡ったという撮影者。
避難所に向かう人に対して「頑張れ、あと少し!頑張れ!」という誘導員たちの声も窓の外から聞こえてきて、被災地だということを実感したそうです。
一歩間違えば、危険な状況になる避難。既に冠水してしまったとき求められる行動とは?
「めざまし8」スタジオで災害時の行動学が専門の群馬大学金井昌信教授にお話を伺いました。

――全国の指定避難所の約3割が浸水区域にあるそうですが、それはなぜなんでしょうか?
群馬大学 金井昌信教授:
そもそも浸水想定区域にいて避難する人が、避難所が浸水想定区域内にないと、区域外に避難することになるんですよ。区域内に学校などの丈夫で高い階のある建物があれば緊急的に命を守るためであれば駆け込む場所として使えるので、すぐに避難所に到達できるという意味では問題ないと思います。

――車が被災してしまうことも、どうにもならないのでしょうか?
群馬大学 金井昌信教授:
そもそも水害時の避難については車を原則使わないとしている自治体のほうが多いと思います。さらに道路が水浸しになっている状況ですと、車はもちろん徒歩で移動するのも危険な状況だと思いますので、あの状況になる前に早めに移動していただきたいと思います。特に車で避難する場合には行政の避難情報よりも早目に移動して、さらに浸水が想定されていないところまで車を持っていかないと結局避難所に逃げてもこういう状況になってしまいます。
(めざまし8 6月13日放送より)