子供がかかりやすく風邪の症状を引き起こす「ヘルパンギーナ」や「RSウイルス」の感染が増加している。新型コロナ対策の影響で子供の免疫力が落ちていることが要因の1つとの指摘もある。4年ぶりに多くの行事が復活する中、さらなる感染の拡大に注意が必要だ。

新型コロナ5類引き下げから約1か月

新型コロナの感染症法上の位置づけが季節性インフルエンザと同じ5類に引き下げられて約1か月。マスクの着用は個人判断となり、教育現場では4年ぶりに制限なしで体育祭が開催されるなど多くの場面で日常が戻りつつある。

新型コロナは6月4日までの1週間に大分県内58の医療機関から172人の感染が報告された。1医療機関あたりの平均は前の週よりも0.66人多い2.97人で、県は「緩やかな増加傾向にある」としている。

5月には大分市内の私立高校で全校生徒の4分の1にあたる約500人がインフルエンザに集団感染するなど、若い世代で感染が広がり学年閉鎖や学級閉鎖も相次いだ。

高校ではインフルエンザの集団感染も
高校ではインフルエンザの集団感染も
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ヘルパンギーナ、RSウイルス流行

高熱や口の中の水ぶくれを引き起こす「ヘルパンギーナ」。発熱や鼻水のほか肺炎も引き起こす恐れがある「RSウイルス」。いずれも乳幼児がかかりやすい感染症で夏場に流行するが、県は「時期が早くなっていることが考えられ、これからさらに感染が広がる懸念がある」と注意を呼び掛けている。

6月4日までの1週間、大分県内の1医療機関あたりの感染者数はヘルパンギーナは3.39人、RSウイルスは3.22人だった。コロナ禍前5年間の同じ時期の平均と比較すると、ヘルパンギーナは約4倍、RSウイルスは約27倍に増えている。

RSウイルス(国立感染症研究所提供)
RSウイルス(国立感染症研究所提供)

コロナ禍で落ちた?子供の免疫力

なぜ、コロナ禍前よりも感染者が増えているのか。新型コロナの感染対策の影響で、子供たちの免疫力が落ちていることが考えられるという。

大分県感染症対策課 池辺淑子課長(医師)
大分県感染症対策課 池辺淑子課長(医師)

大分県感染症対策課 池辺淑子課長(医師):
(コロナ禍で)密を避けましょうとか、マスクの装着、衛生観念が上昇した。それで社会全体の免疫力が落ちている。マスクを外す、行事を4年ぶりに元の通りにできたとか、社会的にはとても喜ばしいことだが、(いまは)感染が広がりやすい環境。

県では今後さらに感染が広がる恐れがあるとして、手洗いや体調管理の徹底、症状が出た場合は早めの医療機関の受診などを呼び掛けている。

(テレビ大分)

テレビ大分
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