半世紀以上、路上で踊り続け、「伝説の大道芸人」と呼ばれる男性がいる。4年ぶりの関西公演、“魂の踊り”を取材した。
伝説の大道芸人 “ギリヤーク尼ヶ崎さん” 92歳 魂の踊り
ゴールデンウィークの京都・円山公園。人だかりの中心にいるのは…大道芸人・ギリヤーク尼ヶ崎さん、92歳。
そのパフォーマンスで観客を魅了する彼はいったい、何者なのか。

ギリヤークさんが大道芸人としてデビューしたのは1968年。世界観と踊りが賞賛を受け、フランスやアメリカなど、海外でも公演を行い、「伝説の大道芸人」と呼ばれるようになった。

また、阪神・淡路大震災や東日本大震災の被災地に赴き、“鎮魂の舞”をささげてきた。
ギリヤーク尼ヶ崎さん(1997年当時):
阪神淡路大震災で亡くなった人たちの供養のために、もろもろの災害で亡くなった人たちの供養のために、精魂込めて踊らせていただきます

ギリヤーク尼ヶ崎さん(1997年当時):
僕、体力落ちてきたんですよ。腰は椎間板ヘルニア、だからいつも踊るときは、後でどんなに痛くなってもいいから、今、踊っているとき、ここにエネルギーを私にください

強烈なエネルギーを発するその身体は今では心臓にペースメーカーを埋め込み、さらに、難病のパーキンソン病と闘いながら車いすで生活している。それでも…
ギリヤーク尼ヶ崎さん:
日本だけではなく世界の文化に貢献できるように命がけで踊っていきます

「命ある限り踊りたい」4年ぶりとなる関西公演
踊ることをやめず、ことし4年ぶりとなる関西での公演を京都で行うことにした。
迎えた公演当日。会場には400人もの観客が詰めかけた。
ギリヤークさんの代表作「よされ節」。手拍子に合わせ踊る。子どもたちも踊りの輪に加わった。

全身全霊をかけて、3つの演目を踊りきった。
ギリヤーク尼ヶ崎さん:
まだまだ頑張ります。まだ踊れます!

ギリヤークさんと一緒に踊った子どもは…
子ども:
ギリヤークと一緒に遊んだら、めっちゃ楽しくて元気がいっぱいになった
子どもの父親:
ギリヤークさんの表現が、息子をかき立てて、前に出て行った光景を目の当たりにして、改めてギリヤークさんの表現の力をまざまざと見せつけられた

ギリヤークさんは「命ある限り大道芸人でいたい」と話す。伝説はこれからも続いていく。

(関西テレビ「newsランナー」2023年6月1日放送)