G7サミットでも注目された被爆地・広島で、外国からの観光客に英語で原爆被害を語る少年がいる。

外国人観光客に原爆の悲惨さを英語で説明 9歳の少年

4月末にユーチューブで公開され話題になっている動画がある。外国から訪れた人に原爆ドームについて子どもたちが英語で説明している。

英語で説明する佐々木駿くん:
二度と原爆の惨事を繰り返さないという思いを込めて、広島はこの建物を残すことにしました

外国人観光客:
ノーモア ヒロシマ」なるほど

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英語で説明している少年は、広島市内に住む、9歳の佐々木駿くん。生後7カ月で英語の教材で遊び始め、めきめき上達し、2年前にボランティアガイドとして原爆の被害を伝える活動を始めた。

英語で原爆被害を伝える佐々木駿くん(9):
原爆ドームの近くをよく通るんですけど。何だろうあれ、と思って調べて、戦争が起こってこんなことがあったとインターネットに書いてあって、それがすごく悲しかったから(ガイドを)しました

第二次世界大戦末期に広島に落とされた原子爆弾。爆心地から160メートルの場所にあるこの建物は壁や骨組みだけの姿になり、中で働いていた人たちは全員即死だった。

12歳で被爆したひいおばあちゃんの話も伝え続けていく

それから78年。駿くんは外国人に平和公園の歴史と、もうひとつあることを伝えている。

英語で説明する佐々木駿くん:
実は、この写真のひいおばあちゃんは被爆者です。ひいおばあちゃんが12歳の時、家に一人でいた時、1.5キロ離れたところで原爆が爆発しました

12歳で被爆した、ひいおばあちゃんはがんを患い、駿くんが生まれる前に69歳で亡くなった。平和公園に安置されている原爆戦没者名簿に、名前が記されている。

佐々木駿くん:
何も悪いことをしていない人が死んでいくのは、この世で一番最悪なことだと思います。(ひいおばあちゃんが)まだ生きていたらいろいろ教えてもらえたかもしれません

駿くんは、おじいちゃんから聞いたひいおばあちゃんの話を英語で、旅行者に伝えている。

駿くんの英語での説明やひいおばあちゃんの話を聞いた外国人旅行者たちが、駿君を“ハグ”した。

Q.自分の話が伝わったと思うとどう?

佐々木駿くん:
どんどん伝えていこうという気持ちが強くなります。二度とこの世界で戦争がないように、戦争はやめてほしいという強い思いを感じ取ってほしいです

争いのない世界を目指し、少年は伝え続けていく。

(関西テレビ「newsランナー」2023年5月23日放送)

関西テレビ
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