街で見かける設置物に意外な機能があった。そんなつぶやきがTwitterで話題となっている。

え!?
名古屋市内の路上に最近増えてきたこの掲示板
USB充電できるんですか!?!?

案内板にはUSB充電のマークも(提供:おいでよ名古屋さん)
案内板にはUSB充電のマークも(提供:おいでよ名古屋さん)
この記事の画像(5枚)

おいでよ名古屋さん(@oinagoya)さんが投稿したのは、道路脇にある「観光案内板」の写真。歩行者が現在地や観光施設の場所を確認できるものだが、USBの充電機能が搭載されていたという。

充電用のUSBポートがある(提供:おいでよ名古屋さん)
充電用のUSBポートがある(提供:おいでよ名古屋さん)

それがこちら。観光案内板の横側にあるふたを開けるとUSB(Aタイプ)ポートがひとつある。おいでよ名古屋さんは利用者を見て存在を知り、災害時や緊急時にも使えるUSBがあることの周知、場所を確認するきっかけになればと投稿したという。

名古屋市によると、この観光案内板は民間事業者と協定を結び、2020年から導入。大きさは高さ約3m、横幅約1.3m。現在は、観光施設や地下鉄の周辺などに約50基を設置しているという。

「税金は1円も投入していません」

充電用のケーブルは持参する必要があるが、いろいろな場面で役立ちそうだ。どのような狙いで設置されたのだろうか。平常時にも使っていいものなのだろうか。名古屋市の担当者に聞いた。


――USB充電ができる、観光案内板を設置した狙いを教えて。

2026年に開催予定のアジア競技大会など、名古屋市はまちの転換期を迎える中で、訪れる人が増加していくことが予想されます。そこで、国内外から本市を訪れた観光客が、目的地まで迷うことなく快適に徒歩移動できるよう、受入環境の充実を図ることを目的とし整備を行いました。

夜間でも快適にみられる(提供:おいでよ名古屋さん)
夜間でも快適にみられる(提供:おいでよ名古屋さん)

――どんな機能を備えている?特徴を教えて。

USB充電機能以外には、内照式照明が搭載されており、夜間でも快適に案内板を見ることができること、定期的に清掃点検されていること、定期的に地図や観光情報が更新され交換表示されること、フリーWi-Fiを搭載していることが特徴となります。


――設置費用や維持管理費用はどうしているの?

案内板の裏面に掲出している広告料が原資で、税金は1円も投入していません。

市が設置したものは、平常時の充電も基本的にOK

――観光案内板の電力はどう供給されているの?

電力会社から地中埋設管を通じて外部から電力が供給されています。ご家庭などでの一般的な充電と同じです。蓄電機能はないので、USBでの充電は電力が供給されていることが前提となります。


――USB充電はどんな場面で使っていいの?

観光客や市民が、ご自身のスマートフォンやタブレット端末を使用し、交通情報や観光情報を取得いただく際などに必要に応じてご利用いただければと考えています。基本的には平常時の使用も問題ございません。あわせて、緊急時には連絡手段の確保などにご利用いただくことも想定しています。


――USB充電についての反響はある?

現時点では特に把握していません。ただ、これからの認知やご理解に期待したいと思います。

スマホの充電などに役立つだろう(画像はイメージ)
スマホの充電などに役立つだろう(画像はイメージ)

――ネットで反響を呼んだことをどう思う?

名古屋市では観光に係る受入環境の整備を進めており、新たな観光案内板について知っていただけることは喜ばしいことです。名古屋に観光に来られた際は、ご活用いただければ幸いです。


名古屋市では市以外にも、地域の協議会がUSB充電できる案内板の設置を進めていて、太陽光発電を備えたものもあるという。緊急時や災害時にも役立ちそうだ。

一方で、公衆のUSBポートは第三者によって悪用される可能性もある。利用する際は「充電専用のUSBケーブル」を使うといった、注意も必要かもしれない。

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。