駅やコンビニなどで“白い箱”のような機械を見かけたことはないだろうか。これは、スマートフォン用のモバイルバッテリーを貸し出すサービスの「ChargeSPOT」だ。

外出時にスマホの充電が足りないという時に利用するもので、モバイルバッテリーを借りていく人を見たことがあるかもしれない。この「ChargeSPOT」は、株式会社INFORICHが展開するモバイルバッテリーシェアリングサービス。

コンビニに設置しているChargeSPOT
コンビニに設置しているChargeSPOT
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全国のコンビニや駅、携帯ショップなど3万カ所以上にバッテリースタンドを設置していて、「どこでも借りられて、どこでも返せる」のが特徴だ。

提供:INFORICH
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また、9自治体・9企業と防災協定を締結し、災害時のサイネージ活用・バッテリー供給など取り組みを実施。

災害時にはChargeSPOTのサイネージを活用(提供:INFORICH)

さらには京王電鉄で券売機の空きスペースを有効活用し、2022年度末までに券売機型を含む「ChargeSPOT」を全69駅に順次設置するなど、さまざまな場所でサービスを拡大している。

券売機型イメージ(提供:INFORICH)
券売機型イメージ(提供:INFORICH)

使い方は、スマホの専用アプリで貸し出し可能なバッテリースタンドがある場所を検索して訪問。バッテリースタンドにはQRコードがあり、これをスマホで読み取ることでモバイルバッテリーが出てくる仕組みだ。なお検索で出てくるレンタルスポットは、充電可能なモバイルバッテリーがある場所しか表示されないため、訪れたスポットで使用できるモバイルバッテリーが全て貸し出し中ということはないようだ。

提供:INFORICH
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料金は30分未満が165円で、その後、6時間未満まで330円。事前に登録したクレジットカードやd払い、Paypayなどで支払う。

充電後に返却する際には、借りた場所と違うバッテリースタンドに返すことも可能。空きスロットにモバイルバッテリーを差し込めば完了となる。

使い方(提供:INFORICH)
使い方(提供:INFORICH)

通話だけでなく、ネットやSNSなど、外出時にスマホを使う場面は多く、いつの間にかバッテリーがなくなっていることもある。

そんな時に手軽に借りられるのは便利であるが、スマートフォンでQRコードを読み取る必要があるため、そもそもとしてバッテリーが切れてしまった場合は借りることすら出来ない。しかしこのような時が、一番利用したいタイミングだろう。

遠隔でリアルタイム状況を把握・管理

ChargeSPOTはスマホの充電がなくても利用することはできるのだろうか。またどのような仕組みでモバイルバッテリーを管理しているのだろうか。災害時の利用方法などと合わせて、気になる点を株式会社INFORICHの担当者に聞いた。

ーーモバイルバッテリーの管理はどうしているの?

故障機器などは、本社の方で遠隔でバッテリースタンドの状況をリアルタイムで把握管理をしています。また、コロナ感染症対策の一環として、「ChargeSPOT」のモバイルバッテリーの抗ウイルス・抗菌加工を進めております。

SIAA(抗菌製品技術協議会)の安全性基準と性能基準に適合したコーティング剤、株式会社清華堂(本社:大阪府大阪市)の「SEIKADOU SRW-30」を、モバイルバッテリーに世界で初めて採用しました。

提供:INFORICH
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ーー故障していた場合、利用者はどうしたらいい?

アプリメニューよりヘルプページをご選択いただき、サポートチャットからお問い合わせください。すぐに充電したい状況の場合は、一度借りたバッテリーをご返却いただければ、再度新しいバッテリーを借りることができます。


ーー充電0%でアプリを起動できない場合は利用できる?

充電が0%の場合は利用ができません。そのため充電が0%になる前にレンタルをお勧めしております。なお、一部のChargeSPOTに充電コードがついているのですが、全てのChargeSPOTについていない事や、ついていても使用不可にしている設置場所もあります。

サービス展開当初、ChargeSPOTは日本初のサービスだった為、ユーザーの意識として「充電が切れてから使うもの」と考える人が多いと予想し、一部のスタンドに充電コードを付けました。ローンチから4年たった現在は、「充電が切れる前に使う」という認知が広がった為、充電コードを使用不可にしている店舗などがございます。

充電コードが付いているChargeSPOT
充電コードが付いているChargeSPOT

ーー充電コードでの充電は無料?

無料での充電は可能ですが、あくまで充電が切れてしまった方がChargeSPOTをレンタルできるようにする為の延命措置です。

※充電コードは、あくまでもモバイルバッテリーを借りるための延命措置であり、悪用はしないでほしい。

災害時はモバイルバッテリーを提供

ーー災害時はどう活用できる?

11月11日に防災協定を締結した東京都豊島区においては、区内で災害が発生した場合は、両者が可能な範囲で情報を共有し、充電済みのモバイルバッテリーを提供します。

ChargeSPOTを設置している地域で災害が発生した場合は、

<地震>
1:震度6弱以上 震度7未満 48時間無料
2:震度7以上 バッテリー強制排出(無料開放)

<停電>
大規模停電の場合、市町村単位で世帯数に対して 一定率を超える停電の世帯数に達した場合利用料無料(48時間)
※停電の世帯数は各電力会社のHPを参考とする。

<噴火>
気象庁が噴火警戒レベル5以上(避難)と判断した場合、48時間無料

提供:INFORICH
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ーー利用者のマナー面で気になるところは?

ほぼ全てのお客様に時間内に返却いただいているので、大変助かっております。事前にお支払い方法をご登録いただいておりますので、レンタル完了時にご利用時間に応じた料金をお支払いいただきます。

返却率については非公開情報なのですが、ほぼ全てのお客様に時間内に返却いただいております。

提供:INFORICH
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ーー最後に利用者にメッセージをお願いしたい

いつもChargeSPOTをご利用いただきありがとうございます。利用者の皆様にとってより使いやすいサービスになるよう今後も努めてまいります。外出中に充電不足になった際は、ぜひChargeSPOTをご活用ください!事前に登録をいただければ簡単にご利用いただくことができます!

シェアリングサービスはみんなでシェアをして使うものなので、次の人のことを思い綺麗に大切に使っていただけたらと思っております。


ーー今後、予定しているサービスはある?

モバイルバッテリーのみならず、様々なものを必要なときに必要な分だけ使うことができる社会を作りたいと考えております。その先駆けとして「シェアスポットアプリ」を展開しております。

現在は、傘や自転車をワンアプリで使用することができますが、今後はより多くのシェアリングサービスを使えるようにし、スマホ一つでお出かけができるような生活インフラを目指しております。

提供:INFORICH
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ChargeSPOTは、遠隔でリアルタイムで状況を把握することで、利用者がいつでもどこでも充電が可能というサービスを実現していた。外出中にスマホの充電がなくなりそうになった場合には、試してみてもよさそうだ。

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プライムオンライン編集部
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FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。