全国に数十万店舗あるとされる“飲食店”。

想像よりも“ナナメ上”に変化を遂げたものに注目する「ナナメ上調査団」が、今回調査したテーマはその飲食店だ。

食べたくても食べられない飲食店に、シークレットメニューがナナメ上な飲食店、待たせすぎる喫茶店、メニューが多すぎる飲食店まで、サービス精神が過剰すぎて、ナナメ上な事になってしまっている飲食店の数々を紹介する!

まずは、串焼きを食べたくても食べられない串焼き店。

食べたくても食べられない飲食店

東京・自由が丘にある「ステラ」は、御年86歳のオーナーが1人で切り盛りしている串焼き店だ。

東京・目黒区「ステラ」
東京・目黒区「ステラ」
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しかしこの店、串焼き店なのに串焼きが食べられないというのだ。一体どういう事なのか?

調査員が串焼き8本のコースを注文すると、まず出てきたのはお通しのゆでナス。

その後もポテトサラダやほうれん草のおひたしなど、次々と串焼きではなく“お通し”が出てくる。

テーブルが小鉢で一杯になるほど出てきて…、その数なんと、24品!

このお店は、「お通しの数が多すぎる串焼き店」なのだ。

もはやお通しの域を超えているようにも思えるが、なぜ、こんなに出すようになったのだろうか。

「ステラ」オーナー・平山孝幸さん
「ステラ」オーナー・平山孝幸さん

「(作ったお通しを)おいしいおいしいと食べてくれるものですから、だんだんと数が多くなっちゃって」と、オーナーの平山孝幸さん。

今ではお通しを目当てに来るお客さんもいるというが、メインの串焼きに行き着くまでにお腹がいっぱいになってしまうこともあるという。

お通し代は2000円
お通し代は2000円

でも大丈夫!残った串焼きは持ち帰ることができるので、お通しを堪能しすぎても安心だ。

続いては、シークレットメニューがナナメ上な天ぷら店。

シークレットメニューが“店長の○○”

東京・蒲田にある、店長が1人で切り盛りしているアットホームな天ぷら店「やまぐち」。

東京・大田区「やまぐち」
東京・大田区「やまぐち」

天ぷらの盛り合わせはもちろん、刺身の盛り合わせなどをリーズナブルにいただけることが魅力のお店だ。

メニューを見てみると、料理に混じって、「糸(いと)850円」という文字が。

“シークレットメニュー”だそうで、「店長を信じて注文してよかった!」「850円じゃ安すぎる!」「酒に合う!」といったお客さんの声も書かれている。

気になった調査員が「糸」を注文してみた。

シークレットメニュー「糸」850円※税抜き
シークレットメニュー「糸」850円※税抜き

すると突然店長が、中島みゆきさんの『糸』を歌い出した!

時代を超えて歌い継がれてきた名曲を、店長がアカペラで熱唱。

1番を歌い終わり終了、と思いきや…、まさかの2番へ突入!しっかりとフルコーラスを歌い切った。

実はこのシークレットメニュー「糸」は、約3分に渡ってほぼフルコーラスをただただ聞かされるだけで、料理は何も出てこないという、まさにナナメ上なシークレットメニューだが、月に数回注文が入るという。

しかし1人で切り盛りしているお店なので、当然歌っている間、厨房は無人になる…。

歌を遮ることができないので、他のお客さんは歌い終わるのを待つしかないのだという。

なぜこんなメニューを始めたのかというと、「スナックで歌っていたら店員に褒められた」からだそう。なんともナナメ上な理由から誕生したメニューだった。

続いては、コーヒーが出てくるまでが長~い喫茶店。

待たせすぎる喫茶店

大阪にある喫茶店「ザ・ミュンヒ」。

店主の田中さんはコーヒーへのこだわりが尋常ではないほど強く、1杯1杯、時間をかけて丁寧に作るという。

大阪・八尾市「ザ・ミュンヒ」
大阪・八尾市「ザ・ミュンヒ」

こだわりが尋常ではない1杯とは、一体どんな味なのか?

調査員は、高級銘柄として世界的に有名なマンデリンをオーダーしてみた。

店主の田中さんは、ひいた豆をカップいっぱいに入れ、上から押しつぶし、さらに追い豆をして押しつぶすこと3回。

漆黒のクレーターのような状態になったところにお湯を注いでいく。

ところが、押しつぶして密度が高くなっているため、抽出されるのは、すずめの涙ほどの量。

カップの約3分の1まで溜まったら完成だというのだが…、これがなかなか溜まらない。

注文してコーヒーが出てきたのは、なんと1時間後だった!

これはさすがに待たせすぎなのでは?と思いきや、店主の田中さんいわく「普通のコーヒーの10杯分の豆を使っているので、手間と時間がかかる」とのこと。

約1時間待ったコーヒーの味は…、とっても渋い!

マンデリン(超デミタス)4500円
マンデリン(超デミタス)4500円

まさに余裕がある大人の嗜好品。飲んでみたい方は時間に余裕を持って行ってみてはいかかだろうか。

続いては、何を食べるか迷ってしまう飲食店。

メニューが多すぎる飲食店

埼玉・鶴ヶ島市にある居酒屋「すぅちゃん」。

店長のすぅちゃんこと、須藤義昭さんが持って来たのは、びっしりと料理名が書かれたファイル。

埼玉・鶴ヶ島市「すぅちゃん」の手書きのメニュー表
埼玉・鶴ヶ島市「すぅちゃん」の手書きのメニュー表

メニューの数は、なんと7953品!全てすぅちゃんの手書きだという。

和食・洋食・中華などの定食をはじめ、もつ煮込みやウインナーなどのおつまみ、さらにデザートまで、充実のラインナップになっている。これだけあっても、かぶりはひとつもないという。

7953品全てのメニューに対応するため、冷蔵庫は15台を完備。

そして100種類以上の調味料を完備しているというのだが、メニューが多すぎる故に、たま~に忘れちゃうこともあると笑う。

すぅちゃん店主・須藤義昭さん
すぅちゃん店主・須藤義昭さん

「カンで!俺が分からないものはお客も分かっちゃいないから」

それでも味は絶品のため、これまでトラブルになったことはないのだという。

4つのナナメ上に進化した飲食店。みなさんも食べに行ってみてはいかがだろうか?

(ノンストップ!『ナナメ上調査団』より 2023年5月23日放送)