2023年5月現在、156種類が指定されている特定外来生物。この時期、河川敷などで次々と開花する花「オオキンケイギク」も実は「特定外来生物」に指定され、駆除の対象となっている。また、6月1日から2つの生物が新たに指定される。
土手沿いに咲く特定外来生物
5月から7月にかけて花を咲かせる「オオキンケイギク」は、北アメリカ原産のキク科の多年草で、明治時代に観賞や緑化目的で輸入され、日本各地の堤防や道路沿いに植えられるようになった。

岡山市北区の旭川の土手沿いにも、コスモスに似た黄色い「オオキンケイギク」が一面に咲いている。

国土交通省岡山河川事務所 旭川出張所・伊東知明所長:
オオキンケイギクは非常に生命力・繁殖力が強い。このまま放っておくとどんどん広がって、もともとそこに住んでいる植物が住むところをなくして、ほかの生物の生態系に影響を与える
このためオオキンケイギクは、2006年に特定外来生物に指定され、栽培や保管、運搬などが禁止されている。
庭などに植えないよう呼び掛け
国土交通省岡山河川事務所では種をつける前の毎年この時期、オオキンケイギクの駆除をしている。根や種は簡単に再生することから、根元から引き抜くことがポイントということだ。

国土交通省岡山河川事務所 旭川出張所・伊東知明所長:
一見きれいな花が咲いて、家に持って帰りたいと思うかもしれないが、きれいだと思っても家に持って帰ってしまうことがないように

生態系に影響を及ぼす特定外来生物。オオキンケイギクと知らずに家に持ち帰る人もいるということで、岡山河川事務所は庭や花壇に植えないよう呼び掛けている。
新たに2種“逃がすこと”禁止に
2023年5月現在、156種類が指定されている特定外来生物に、6月1日から私たちに身近な2つの生物が新たに指定される。

それが、アメリカザリガニとアカミミガメだ。どちらも雑食で、在来の水生生物に大きな影響を与えている。

特定外来生物は、販売や飼育などが原則禁止されているが、この2種類はすでに家庭などで広く飼われている。そのため、飼育を禁じると大量に捨てられる恐れがあることから、飼育が認められる「条件付特定外来生物」となっている。

禁止されるのは「野外に放したり逃がしたりすること」で、違反すると罰金などの対象となる。自力で逃げ出した場合も違法となることがあるため、適切な容器での飼育が必要だ。

環境省 中国四国地方環境事務所 野生生物課・中嶋豊課長補佐:
途中で飼えないから捨てるということが一番ダメ。カメやザリガニはどこでも見る・拾うことができるが、必ず飼う自信がある人が持って帰り、責任をもって飼うことが大事
環境省は、アメリカザリガニとアカミミガメに関する相談を電話(0570-013-110)で受け付けている。
(岡山放送)