暖かくなり、ツバメの飛来が増えている。そんな中、毎年200羽ものひなが巣立つ寺が福井県にある。繁殖期を迎えた今、2023年もすでに20以上の巣が作られ、エサを求める大勢のひなの鳴き声が響いている。

本覚寺のツバメのひな
本覚寺のツバメのひな
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一方、寺の職員は毎朝、泥の掃除など続け、まさに“縁の下の力持ち”として成長を見守っている。

巣作りが初夏の風物詩

福井・永平寺町にある本覚寺では3月下旬からツバメが飛来し、今は繁殖期を迎えている。

佐橋嬉香アナウンサー:
お寺の入り口には「『ツバメ』の子育てにご協力下さい」と書かれた看板が立てられています。中に入ると…早速ツバメの巣が作られていますね。何個あるのでしょうか?

玄関の天井を埋め尽くさんばかりのツバメの巣。ざっと数えても20個以上はある。巣の中をのぞいてみると、一つの巣あたり6羽程度のひなが大きな口を開けてエサを待っていた。

佐橋嬉香アナウンサー:
あ!ツバメがやってきました!親鳥がエサを持ってきて、ひなにせっせと口移ししています。エサをもらって喜んでいるんですかね

この寺には30年以上前からツバメが飛来するようになり、初夏に多数の巣を作るのが風物詩となっている。

職員はフンよけの板の設置も

この期間、寺は“好意”で玄関とその先の一室を、ツバメのために開放している。これまで作られた巣は残しているため、その巣を再利用して卵を産むツバメもいる。

周囲は自然豊かでたくさんのエサがとれるためか、毎年多くのツバメがこの場所を選んで巣作りする。これらの好条件が重なり、毎年200羽近いひなが巣立っていく。

フンよけに設置した板
フンよけに設置した板

ただ、管理する寺の職員は、毎年この時期大変な作業になる。

巣を作る際に落とした泥などを毎朝掃除している。またフンが床に落ちないよう、巣の下に木製の板を設置するなど対策を欠かさない。

大覚寺・宮口昌之さん:
本当は少し面倒くさい…。門徒さんが集う場所なので、迷惑をかける。なるべく頭の上にフンを落とさないよう対策をしている。ただ世話を続けると情もわいてくる。巣立っていく時、家族そろって玄関前で舞うんですよね。ありがとうって言われているようで、来年も待っていると言いたくなる

ツバメの子育ては8月ごろまで続く。

(福井テレビ)

福井テレビ
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