23日午後1時頃、車でホームセンターへ向かっている時のことだった。

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突然、ガードレールを飛び越えて、シカが目の前に現れた。

突進してきたシカ

事故は、京王線・京王稲田堤駅からおよそ700メートルの、多摩川の河川敷沿いの道路で起きた。

事故が起きた道路は、ほぼ一直線で見通しが良い。運転手は、当時、信号は青だったためスピードを緩めずに走行していたという。

シカは、河川敷からガードレールを跳び越えて現れた。

対向車線を走る車をかわしたシカ
対向車線を走る車をかわしたシカ

そして、対向車線を走る車をひらりとかわしたが、車の方に一直線に向かってきてぶつかった。

車に向かってきたシカ
車に向かってきたシカ

車は、ぶつかった衝撃の影響で左側のバンパー部分がへこんでしまった。

運転していた男性が、当時の状況を振り返った。

車を運転していた男性:
なんでっていう感じですね。あっけにとられたというか。なんでこの場所にいるのっていう感じです。もうビックリだけです。(対向車の)目の前を通過して、それで横切るのかなと思ったら、私の車の方に直線に走って突進してきて、ちょっと避けきれなかった

事故に遭った車は2年前に買ったばかりで、修理におよそ50万円かかるという。

車に衝突したシカの様子については…

運転していた男性:
ぶつかって来た時のシカの状況は見えなかったんですけど、脇をすり抜けて後方へ走り去っていったので、シカは元気なんだなと思って安心した。

森の環境悪化で餌がなく、集落へ

街に突然現れたシカ。専門家に話を聞くと、シカが本来住んでいる森に異変が起きているという。

静岡県立農林環境専門職大学短期大学部・小林信一教授:
シカ自体は全国的にこの30年で10倍くらいになっていますし、食べ物が森の中にはないけれども、集落周辺、つまり農産物がたくさんあって、それを食べてシカやイノシシなどがどんどん増えていく。森の中に餌が無くなってきている。森の環境が悪くなっているというのが、集落に出てくる大きな要因ですね。

川に草が豊富に生えているため、今の時期は下流に降りてきてしまうという。もし、街中でシカに遭遇してしまったらどうすればいいのか。

静岡県立農林環境専門職大学短期大学部・小林信一教授:
目撃したということであれば、なるべくそっとしておいていただきたい。パニックになると危険な状況も考えられますので、住宅地なんかに出るような状況であれば、最寄りの警察ですとか、そういったところに通報していただくのがいいと思いますし、ご自分で捕獲するとかはなさらない方がいいと思います。

シカは住宅街に向かったという
シカは住宅街に向かったという

今回目撃されたシカが向かった方向は住宅地ということで、注意が必要だ。

(「イット!」4月25日放送より)