福井の観光客入込数で毎年トップ10に入る勝山市の県立恐竜博物館が、2023年夏にリニューアルオープンする。リニューアルが進む中、博物館に全長13メートルの“海の巨大トカゲ”の化石が新たに加わり、その組み上げ作業が公開された。

博物館リニューアル前の大改修

県立恐竜博物館のリニューアルは2024年春の北陸新幹線福井開業を見据えたもので、2022年12月から臨時休館し、増築や展示物の見直しといった大改修が行われている。

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2階の海のエリアでは、約7,000万年前の生物を中心に展示しており、ここで組み上げ作業が進められているのが全長13メートルに及ぶ巨大生物「ティロサウルス」だ。

ティロサウルスは約7,000万年前の白亜紀後期に北アメリカ周辺の海に住んでいた。分類学的には、恐竜ではなく海の爬虫類の一種で、今でいうと“巨大なトカゲ”にあたる。当時の海では、最大級の捕食者として君臨していたという。頭部だけで2メートル近くあり、サメなどを丸呑みしていたと推定される。同じ仲間のモササウルスと並び、子供たちから高い人気を集めている。

県立恐竜博物館・竹内利寿館長:
映画「ジュラシック・ワールド」をきっかけに、子供から展示してほしいという要望が物凄くたくさんあった。この要望に応える形で展示に至った

展示されるのはアメリカで発見された化石の複製だ。組み上げ作業は4月10日に始まり、取材の日は頭部を組む最終段階となった。海面に向かって勢いよく泳ぐ姿を表現するため、スタッフたちは顔の角度や向きを細かく調整した。

反対側のエリアにティロサウルスの化石の複製が組み立てられている
反対側のエリアにティロサウルスの化石の複製が組み立てられている

山田千代記者:
ティロサウルスの展示フロアから階段を上がると、3,000万年前に生きたバシロサウルスというクジラの仲間とティロサウルスが対峙します。生きた時代は違いますが、巨大な海の生物の共演が楽しめます

展示フロアから階段を上がったところから見えるティロサウルス
展示フロアから階段を上がったところから見えるティロサウルス

恐竜博物館ではこれまで、全長10メートルの肉食恐竜「タルボサウルス」や、国内初披露となる実物の化石「ブラキロフォサウルス」の組み上げが公開された。

常設展示は現在、6割ほどが完成している。
高さ9メートル、幅16メートルの巨大スクリーンが3面に並べ、恐竜の世界を再現するなど、観光客の満足度を高めるための整備が続いている。

(福井テレビ)

福井テレビ
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