これまで映画などで聞いていた恐竜の鳴き声はあくまで想像に過ぎにない、というと驚く人もいるかもしれない。世界で初めてとなる恐竜の喉の化石が発見され、長年謎に包まれてきた恐竜の鳴き声を解明する第一歩になると、注目が集まっている。

恐竜の音声進化を探る手がかりに

世界で初めてとなる恐竜の喉の化石を発見したのは、福島県立博物館の研究グループ。これまで発見されなかった理由のひとつが、多くの恐竜は喉の骨がコラーゲンを主体とする軟骨でできているため、化石として残りにくいという特徴があるそう。そのため、今回の発見は研究員も驚きを隠せなかったという。

世界初の大発見!恐竜の喉の化石 現存するのは珍しい
世界初の大発見!恐竜の喉の化石 現存するのは珍しい
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研究では鳥類と似ている点も見つかっていて、“鳴き声”の解明につながることが期待されている。

化石のレプリカ 鳥類と似ているところも 鳴き声の解明に期待
化石のレプリカ 鳥類と似ているところも 鳴き声の解明に期待

福島県立博物館の学芸員吉田純輝さんは、世界で初めて恐竜の喉の化石を発見した国際研究グループのリーダー。
福島県立博物館・吉田純輝学芸員:
今回の研究成果によって、恐竜の音声進化の手がかりの1つを初めて手にできた

研究グループのリーダー・吉田純輝さん「手がかりの一つを初めて手にできた」
研究グループのリーダー・吉田純輝さん「手がかりの一つを初めて手にできた」

喉を活発に動かせる構造

約8000万年前の白亜紀に生息していた、草食恐竜「ピナコサウルス」

約8000万年前の白亜紀に生息 草食恐竜「ピナコサウルス」
約8000万年前の白亜紀に生息 草食恐竜「ピナコサウルス」

保存状態の良い化石が2005年にモンゴルで見つかっていたが、これまで解明が進んでいなかった。

2005年にモンゴルで発見 解明進まず
2005年にモンゴルで発見 解明進まず

吉田さんは当初、舌の骨と考えていたが、比較研究などを進めた結果、呼吸や鳴き声にかかわる喉の骨であることを突き止めた。

比較研究などで呼吸や鳴き声に関わる喉の骨と判明
比較研究などで呼吸や鳴き声に関わる喉の骨と判明

福島県立博物館・吉田純輝学芸員:
ピナコサウルスは、開いたり閉じたりといった活発に喉を動かせる構造になっていました。鳥類のような、もしかしたら複雑な音声を発することができたのかなと可能性があります

ピナコサウルスは活発に喉を動かせる構造
ピナコサウルスは活発に喉を動かせる構造

鳴き声の解明へ研究は続く

恐竜の鳴き声を解明する重要な一歩になると期待されているが、リアルな“鳴き声”の再現にはまだ時間がかかりそうだ。

吉田純輝さん「具体的な鳴き声の解明まではたどり着けていない」
吉田純輝さん「具体的な鳴き声の解明まではたどり着けていない」

福島県立博物館・吉田純輝学芸員:
端的に申しますと、まだ調査中で具体的にどういった声で鳴いていたのかまでは、たどり着けていない。今後、恐竜がどういった音声で鳴いていたかや、どういったコミュニケーションの進化を辿ったのか、段々分かってくるかなと期待しています

吉田純輝さん「鳴き声やコミュニケーションの進化の解明に期待」
吉田純輝さん「鳴き声やコミュニケーションの進化の解明に期待」

(福島テレビ)

福島テレビ
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